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注目の研究環境学

ミクロな化石から読み解く温暖化後の地球の姿

掲載日:2018.12.21

准教授 本山 功(地球科学)

 大気中の二酸化炭素増加による地球温暖化は、避けて通ることのできない国境を超えた人類共通の問題です。地球が温暖化するとどうなるのか。それは過去の地球が教えてくれます。例えば、関東平野が広く水没していた時代、山形に亜熱帯性のマングローブ林が茂っていた時代、日本に恐竜が闊歩していた時代などです。これら三つの事例は、いずれも大気中の二酸化炭素濃度が高く気候が温暖だった時代です。その様子を知る手掛かりとなるのが化石(生物指標)です。私の研究室では、特に、日本周辺において温暖化(や寒冷化)の影響がどのように表れるのかを明らかにするため、海洋プランクトンに着目し、その環境指標としての実用性を高め、実際に応用する研究を進めています。顕微鏡サイズの微小な化石は少量の堆積物サンプルから多産するため、多変量解析などの統計的な分析に適しているからです。古きをたずねて新しきを知る「温故知新」をモットーに、未来を見通す手掛かりの探求を進めています。

プランクトンの一種放散虫。ユーチトニアの光学顕微鏡写真。
プランクトンの一種放散虫。ユーチトニア(光学顕微鏡写真)

プランクトンの一種放散虫。プテロカニウムの電子顕微鏡写真。
プテロカニウム(電子顕微鏡写真)

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