ホーム > 研究 > 注目の研究 > 環境学 > 極寒の南極と灼熱のエチオピアで地球を探る
掲載日:2025.02.03
准教授 加々島 慎一(地質学・岩石学)
岩石には、地殻の変動や地球内部での物質の挙動などの情報が記録されています。これらは、野外の産状、偏光顕微鏡観察、多様な化学分析と解析によって理解することができます。地球最初の大陸地殻は少なくとも40億年前には存在していました。それから大陸は成長し、離合集散を繰り返しています。地殻の変動により深さ30 kmくらいの下部地殻の岩石が地表に出ているところもあります。その一つが南極大陸です。昭和基地周辺には約6億年前の岩石が広く分布し、東に数百km離れたナピア岩体には約25億〜40億年前の岩石が分布しています。実際にその場に赴き、ハンマーをふるって岩石を採取し、様々な分析・解析を通して、地球の歴史を読み解いていく冒険的な楽しさがあります。
一方で、古いだけではなく、若い地殻変動も探ります。今まさに大陸が割れようとしているエチオピア・アファール凹地です。プレート拡大軸域での地球電磁気学的調査にも参加しています。地球を全身で感じられるフィールドワーク、大好きです。
▲南極でテント生活
▲南極で岩石試料採取。後ろは白瀬氷河
▲アファールの露頭風景