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消化管生理学で支えるおなかの健康

掲載日:2016.09.26

准教授 小酒井貴晴(食品栄養学,動物生理学)

ごはん(栄養)をおなか(消化管)が消化・吸収するからこそ、ヒトを含む動物は生きていけます。消化•吸収されやすい栄養成分はすぐに利用されますが、消化・吸収されにくい成分は大腸に生息する腸内微生物によって分解・発酵され、最終的にうんちとして排泄されます。古くからこのうんちに含まれる微生物やその発酵産物が体にとって有用であることは知られていましたが、遺伝子解析の発達により、近年また新たな発見が続いています。

 我々の研究室では、消化管生理学を基に、消化管内の微生物発酵の環境下で共存している腸管細胞の生理機能を解明した上で、その機能をコントロールする物質(機能性食品成分)や有用菌(嫌気性細菌)を見いだそうとしています。例えば、水の吸収・分泌などの腸管機能を調整できれば、下痢や異常発酵を予防でき、常に健やかなおなかの健康を維持できるのではないかと考えています。また、野生動物の保護やペットや家畜の健康管理のためにも重要だと考えています。最後に、国内外の研究者と連携しながら、「誰も知らない世界(生命現象)を世界で一番最初に知る喜び」に加えて、「社会でたくましく活躍する山大生」を目指す学生らと一緒に、今日もコツコツ研究しています。

ウシの第一胃(典型的な重層扁平上皮)の画像
ウシの第一胃(典型的な重層扁平上皮)

マウスの大腸(典型的な単層円柱上皮)の画像
マウスの大腸(典型的な単層円柱上皮)

消化管の上皮細胞(様々な細胞が混在する)の画像
消化管の上皮細胞(様々な細胞が混在する)

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