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注目の研究人文学

百聞は一見に如かず

掲載日:2021.10.11

教授 山田 浩久(地域構造論)

 山形県は、修験や三山参詣、覇権争い、紅花交易、企業誘致、観光といった各時代の趨勢のなかで、街道、舟運、鉄道、高速道路等を介して県内の土地が深く結びついています。そして、それが時代の変遷に伴って変化し今日の地域構造に結びついています。山形の「まちづくり」を考える上で、この歴史の「脈絡」を理解することはとても重要です。

 地域振興策として「まちづくり」は、近年、従来の人口や販売額といった統計数値ではなく、地域全体の「豊穣」が重視される場合が多くなっています。地域に対する気持ちや意識を高めていくことが、住民の生活向上につながるという考え方です。現地に出向き、住民の方々と話し合い、同じ物を食べ、いっしょに活動することを研究の基本とする地理学では、その土地の風土を重視し、その土地で培われてきた事物や事象を「地域性」と呼んで研究の対象としてきました。大都市で成功した政策が地方都市で成功するとは限りません。統計資料には現れにくいその土地の特徴を理解し、様々な問題をどのように解決するかを研究します。

六十里越街道、三山電気鉄道の歴史を継承する国道112号とそれを跨ぐ山形自動車道(西川町)の画像
六十里越街道、三山電気鉄道の歴史を継承する国道112号とそれを跨ぐ山形自動車道(西川町)

最上川の屈曲部に栄えた左沢河岸(画面右、大江町)の画像
最上川の屈曲部に栄えた左沢河岸(画面右、大江町)

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