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「忘れる」ことのいいところ

掲載日:2021.01.05

准教授 小林正法(行動科学・認知心理学・感情心理学

 「忘れる」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか?
 「友達との約束を忘れた」など、失敗した経験を思い出すのではないでしょうか?
 
 このように、一般的に「忘れる=悪い」と捉えられてきました。しかし、「忘れる」ことにもいいところがあります。例えば、電話番号を変更した時など、古い情報(昔の番号)を忘れることができなければ、新しい情報(新しい番号)を覚えることは難しいでしょう。また、辛い体験などは忘れてしまう方がよい場合もあるでしょう。

 このような視点から、私は不要な情報やネガティブ情報の忘却というテーマでこれまで研究を行ってきました。現在は、忘れることが価値判断にどのように関わるのかについても関心を持っています。また、スマートフォンなどの外部記憶装置に膨大な情報を簡単に保存できるようになったことが、ヒトの記憶をどう変化させるのかについても研究しています。
 これらの研究を通して、「なぜヒトが記憶能力を持つのか」という疑問の解明を目指しています。

学会シンポジウムでの発表の様子の画像
学会シンポジウムでの発表の様子

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