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掲載日:2022.10.01
ロシアと付き合ってもう25年ほどになります。今年ほどこの国に驚かされ、絶望しかけたことはありませんが、気を取り直し、きちんと向き合い直そうと日々つとめています。何しろ、戦っているのは隣の国と、隣の隣の国なのですから。
戦争は、日本の面積の45倍の国の西のはずれのさらに向こう側で起こっています。一方、ぼくが日常的に付き合っているのは、ロシアの東のはずれで日本のすぐ隣、北海道からわずか43キロ北に位置するサハリン島のひとたちです。この島の南半分は77年前まで樺太と呼ばれた日本領でした。みなさんの家族や親戚にも昔住んでいたという方がいるかもしれません。
ですから、この島を研究していると外国人扱いされることがありません。かれらの歴史はわたしたちの歴史でもあり、ともにひとつの島の歴史をつくる仲間だからです。そうした付き合いは、戦争が起ころうが、非友好国同士になろうが、決して変わることはありません。