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霊場の考古学

掲載日:2023.12.11

教授 荒木 志伸(基盤教育院担当)(考古学)

 立石寺(通称:山寺)は列島最北域の霊場で、松尾芭蕉の句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」(『おくの細道』1702)で著名な平安時代草創の山林寺院です。山内各所の岩陰には、卒塔婆や後生車等が奉納され、江戸時代には奥の高野と称された庶民信仰の聖地でした。
 しかし、立石寺は戦国時代の争乱に巻き込まれ、山内に残る古文書が少なく、文献史学による研究が難しい状況でした。そこで、約1000基の石造文化財の考古学的調査とその銘文等の分析により、大永元年(1521)の一山焼失後、近世中頃まで山形盆地周辺の人々が深く関与しつつ復興を遂げた、地域密着型の霊場であったことを明らかにしました。近年では、出羽三山や松島(瑞巌寺・雄島)、慈恩寺等でも調査を進め、比較検討もおこなっています。
 歴史にその名を残さない庶民のヒストリーは「大きな歴史」の叙述から、こぼれ落ちる傾向にありました。文化財は、地域の人びとが誇りをもって大切にしてきた歴史の生き証人です。魅力ある地域づくりを推進においても、それらが果たす役割について認識しつつ、様々な方々にご協力頂きながら調査を進めていきたいと考えています。

楽しく調査していますの画像
楽しく調査しています

研究成果が取り入れられたパンフレット類の画像
研究成果が取り入れられたパンフレット類

石造文化財調査の様子の画像
石造文化財調査の様子

立石寺での市民向け野外実習の画像
立石寺での市民向け野外実習

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