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優れたデザインを市場に出すために

掲載日:2020.11.25

講師 柴田 聡(経営学・マクロ組織論)

 市場の成熟化にともない製品をいかに差別化していくかは企業にとって重要な課題となっています。近年、有力な差別化の要素として、製品デザインに注目が集まっています。日本企業の製品は斬新なデザイン生み出せないと言われます。しかし、このイメージは正しくはありません。

 例えば、2009年に発売されヒットした羽なし扇風機とほぼ同じデザインの製品をすでに日本の企業は開発しており、1980年代に特許を出願しています。このことからもわかるように、日本では優れた製品の萌芽は生まれているにも関わらず、市場にまで到達しないことか問題となっていることがわかります。
 
 そこで、我々は製品デザインにおいてデザイン部門が果たす役割に着目し、研究開発のプロセスにおいて組織の戦略やデザイナーの主体性が開発プロセスに及ぼす影響について研究をし、製品開発プロセスにおけるデザイン部門の主導がデザインの成果に重要であることが示されました。

図1.日本企業が出願した特許の意匠(東芝のものですが失効しています)の画像
図1.日本企業が出願した特許の意匠(東芝のものですが失効しています)

Kanno, Y., Kwon, Y., Nam, K. Y., Shibata, S., & Chung, K. W. (2019). Effects of Managerial Policy and Context on Design-led Processes. Journal of the Science of Design, 3(2), 2_87-2_96. よりの画像
Kanno, Y., Kwon, Y., Nam, K. Y., Shibata, S., & Chung, K. W. (2019). Effects of Managerial Policy and Context on Design-led Processes. Journal of the Science of Design, 3(2), 2_87-2_96. より

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