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小学校理科の科学実験をより安全に

掲載日:2020.12.15

准教授 鈴木 宏昭(理科教育)

 小学校の理科のイメージといえば、生き物の観察や科学実験を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実際、多くの小学生は、観察や実験を楽しいと感じており、理科が好きです。しかしその一方で、理科の実験中に事故が発生し、残念ながら小学生が火傷などの怪我をしています。

 現在の研究の関心は、理科授業における科学実験の事故をどのようにすれば減らすことができるのか、そのための具体的な手立てを考案することです。
 小学生が安全に観察や実験を実施し、事故の発生件数を減らすためには、これまでに発生した事故の特徴を把握し、理科授業で使用する教材や教員の指導法を改善することが必要です。それらの改善のためには、小学校理科教材の歴史的な継続性や理科学習内容の国際的な共通性の観点から、小学校に理科という教科を導入した明治期からの理科教科書や、英国や米国の教材や教科書が参考になると考え、着目しています。

 こうした研究で得られた成果は、山形大学における教員の養成や現職教員の研修に活用できます。例えば、山形大学では、山形県教育センター(山形県教育委員会)および山形市総合学習センター(山形市教育委員会)と協力して、小学校理科の授業を実施するために必要な資質・能力を身に付けることを応援するため、「理科マイスター」という独自資格を認定する事業を実施しており、その事業の講座において研究成果を社会に発信しています。

明治期の理科教科書と海外の科学教科書の画像
明治期の理科教科書と海外の科学教科書

理科実験で使用する加熱器具の変化の画像
理科実験で使用する加熱器具の変化

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