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人工知能で学力テストの時間を短縮

掲載日:2023.05.22

准教授 安田 淳一郎(学士課程基盤教育院

 学力を測定するテストには多くの時間がかかります。たとえば、大学入学共通テストには2日間。模試や、学校での中間・期末試験を含めると、青春時代の一体どれほどの時間がテストに費やされていることでしょうか。

 この問題を軽減してくれるのが、“人工知能”の一種と言える「コンピューター適応型テスト」です。この方式では、受検者の解答に応じて出題を最適化することで(図1)、テスト時間を半分程度に短縮できると期待されています。

図1 コンピュータ適応型テストの例の画像
図1 コンピュータ適応型テストの例

 安田准教授らは2021年の論文1)で、ある世界標準の物理概念テストをコンピュータ適応型にした場合、10%の精度低下を許容すれば、出題数を半分に短縮できることを数値シミュレーションで示しました。この成果はコンピューター適応型テストの効率性を裏付けるものであり、著名な論文誌の注目論文にも選定されています2)

テストの精度と出題数の分析結果の画像
テストの精度と出題数の分析結果

 本学の「基盤力テスト」3)も、コンピュータ適応型で運用されています。安田准教授らの研究成果を通じ、基盤力テストに基づく学修評価がさらに発展することも期待されます。

1) J.Yasuda, N.Mae, M.M.Hull, and M.Taniguchi, Phys. Rev. Phys. Educ. Res. 17, 010115 (2021) https://doi.org/10.1103/PhysRevPhysEducRes.17.010115

2) 「安田淳一郎准教授らの論文が,Physical Review Physics Education Research誌の注目論文としてEditors’ Suggestionに選ばれました。」https://www.ias.yamagata-u.ac.jp/news/2489/

3) 「基盤力テストの目的と紹介」https://www.ias.yamagata-u.ac.jp/news/2338/

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