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掲載日:2017.11.06
1944年の『ゲームの理論と経済行動』以来、人々の相互依存状況を理論的に分析する枠組みが発展してきました。一方、理論の検証として経済実験という分野もほぼ同時に発展してきました。理論と実験結果との不整合を解決するため、心理学などの知見を取り入れることで実際の人々の行動の特徴を重視する行動経済学と呼ばれる分野が最近注目されています。日本語による行動経済学のテキストも増えつつあり、旧来あった「経済学では実験ができない」「経済学は非現実的な人間像に基づいている」等の経済学に対する批判はもはや当てはまらないと言えるでしょう。
年来、寄付行動の実験を通して「他者を考慮する選好」についての研究を行っています。これは正義や公正といった概念について議論するときに重要となります。さらに普段の生活における、クリスマスや誕生日のプレゼントといった活動の分析や、ふるさと納税等の政策分析にも適用が可能です。学生をはじめ、人々に経済学の面白さを伝えていくとともに、経済学の発展に少しでも寄与できればと思います。