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宗教規制のあり方を考える

掲載日:2024.01.22

教授 中島  宏(憲法学)

 法治国家における宗教規制のあり方を研究しています。特にフランスにおけるカルト宗教規制や、宗教的着衣規制(スカーフやブルカなど)の分析をしてきました。日仏共に政教分離が原則ですから、国家は宗教的に中立であることが求められます。そうすると、国家が特定の宗教を公認したり、「悪い宗教」を認定するということは原則禁止されることになります。例えばフランスの有名な「カルト規制法」も、カルト宗教の定義や認定を行っているわけではありません。あくまで一般的に、国民の自由を侵害する行為を犯罪として規制しています。従って、規制対象は宗教団体に限定されず、他のあらゆる団体にも及びます。「ブルカ禁止法」も、あくまで公共空間における覆面行為を禁止しています(賛否両論あるのですが)。信教の自由が保障されているとしても、宗教団体による人権侵害行為があるとすれば、それを見過ごすわけにはいかないでしょう。その場合の適切な対処法について考え続けています。

フランス憲法院の入り口です。ドアの上にはスフィンクスがいます。の画像
フランス憲法院の入り口です。ドアの上にはスフィンクスがいます。

フランス首相府の壁には、1789年人権宣言の条文が掲げられています。の画像
フランス首相府の壁には、1789年人権宣言の条文が掲げられています。

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