ホーム > 研究 > 注目の研究 > 総合人文社会 > 一国の経済活動の動きをマクロ経済モデルを使って考える

注目の研究総合人文社会

一国の経済活動の動きをマクロ経済モデルを使って考える

掲載日:2024.10.01

教授 溜川 健一マクロ経済学)

 2024年3月にマイナス金利が解除されました。「異次元」とも称される金融緩和に修正の動きが見られます。こうした政策変更は、一国全体の経済活動を表す国内総生産(GDP)や消費者物価指数に影響を与えます(与えないこともあるかもしれませんが)。どのような影響があるかについては「マクロ経済モデル」を通じて考えることができます。マクロ経済モデルは一国全体の経済を数式や図で模したもので、このモデルから政策によってGDPや物価変化率がどの程度変化するかについての知見が得られます。基本的なモデルというのがあり、それをベースに、経済で重要な役割を持つ金融部門を拡充する、合理的な人々という仮定を緩める、あまり考慮されていなかった人々の異質性(生産性が異なるなど)を積極的に考えるなど、基本モデルを拡張する形で研究が世界各国で進んでいます。本研究室でも、こうした潮流に概ね従いながら、既存の基本的なモデルを拡張したモデルを考案し、財政・金融政策などの経済環境の変化がGDPや物価の反応を基本モデルと比べてどう変えるかを日々考えています。

図は基本的なモデルを使った数値シミュレーションを表しています。横軸の数字は時間(四半期ベース)、縦軸は%を表しています。図では、第1期において、利子率が1%ポイント上昇するような外的な刺激があった場合に、実質GDP (Real GDP)、物価変化率(Inflation rate)、利子率(Interest rate)が政策実施前と比較して、それぞれどれくらい変化するかが描かれています。の画像
図は基本的なモデルを使った数値シミュレーションを表しています。横軸の数字は時間(四半期ベース)、縦軸は%を表しています。図では、第1期において、利子率が1%ポイント上昇するような外的な刺激があった場合に、実質GDP (Real GDP)、物価変化率(Inflation rate)、利子率(Interest rate)が政策実施前と比較して、それぞれどれくらい変化するかが描かれています。

図は、総需要・総供給モデルと呼ばれるマクロ経済モデルを表しています。上の図では、過熱ぎみの経済(点A)を金融引き締め政策で平常な経済(点B)に戻す様子が描かれています。の画像
図は、総需要・総供給モデルと呼ばれるマクロ経済モデルを表しています。上の図では、過熱ぎみの経済(点A)を金融引き締め政策で平常な経済(点B)に戻す様子が描かれています。

  • シェア
  • 送る

注目の研究[総合人文社会]一覧へ