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注目の研究総合人文社会

新時代の公共事業を評価する

掲載日:2019.10.01

准教授 坂本直樹(財政学)

 日本政府が抱える債務は巨額です。財政健全化のため、限られた財源で有効な政策を行うことが一層求められています。費用便益分析では、公共事業の便益を金銭単位で評価し、それが費用を上回るならば事業を実施すべきであると判断します。例えば、海面上昇等により侵食された砂浜を復旧する養浜は、温暖化に伴い、これから必要とされる公共事業のひとつです。海面が30cm上昇した場合、日本の砂浜の56.6%が侵食されるという試算がありますが、この侵食により失われる便益を計測してみると、海水浴等のレクリエーションに限っても日本全体で年間約250億円となります。この金額が養浜により砂浜が維持されることによるレクリエーション便益です。この便益を計測するための手法は、経済学の理論に基づき、他大学との共同研究で開発しました。厳しい財政環境のなかでも時代は変化し、求められる社会資本も変化します。こうした変化に対応した公共事業の経済評価を課題とし、研究を進めています。

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