ホーム > 研究 > 研究紹介動画・ポスター > 研究紹介動画2016 > よりよい家族支援、関係者支援のあり方を目指して
私の専門は、心の問題の成り立ちやさまざまな問題に対する支援のあり方について探求する臨床心理学です。特に問題を抱えていると考えられているご本人に対して直接支援させていただくというよりは、ご家族をはじめとする身近な方々(学校の先生方、職場の同僚)に対して支援を行う家族療法について研究しており、これまで抑うつや、不登校・ひきこもり支援に関する実践研究や実証的な基礎研究を行ってきました。
ところで、私たちは問題に直面した際、つい問題に目が奪われがちになりますが、さまざまな問題には“ゆらぎ”がみられ、問題が大きく深刻なときもあれば、問題が存在しない(あるいは比較的軽い)とき(=例外・解決)もあります。また問題に対して有効でないばかりか問題を大きくしてしまう対処行動(=悪循環)がある一方で、問題の改善に有効と思われる対処行動(=良循環)も存在しています。
これら例外や解決、良循環に焦点を当て、問題の減少よりも解決の増大を重視する考え方はソリューション・フォーカストと呼ばれ、近年カウンセリングのみならず教育や児童福祉の領域でも広まりを見せています。今後こうした観点からよりよい家族支援、関係者支援のあり方を模索していきたいと考えています。