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治水と地域生態保全の調和に向けた新たな技術の確立を目指して

准教授 河川環境学・応用生態工学

渡邉 一哉(わたなべ かずや)

美しさと危険が同居する場所で

 我々を取り巻く水環境とその有効な利用方法について、渓流域から本流、水田、沿岸域まで、国内や海外(東南アジア)のさまざまなフィールドで調査研究を行っています。特に私の研究の原点であり、中心でもある山形の山地渓流域は、とても美しい別天地です。このような日本の財産ともいえる地域生態の保全は、未来に対する使命といえます。一方で、ほとんどの渓流は、災害の危険がある「危険渓流」に指定されています。我々の生命と財産を守るため、行政機関は砂防堰堤の設置や護岸の整備など、多くの治水対策を実施しており、それが山地渓流の景観や生態にさまざまな影響を与えています。

生物の目を通して見つめる・考える

 このような治水と地域生態の保全。双方を両立するためには、新たな技術の確立が必須だと考えています。我々の調査研究には、土木学的知識や技術だけでなく、生態学的知識も不可欠です。対象となる水環境ごとに指標生物を定め、彼らの生態行動を通しての実態の把握がとても有効です。現場に多く足を運び、多様な視線で見つめることで、それまで気がつかなかった新たな発見に繋がることが多くあります。

さぁ、出かけよう!

 学術的な成果だけでなく、地域の漁協や市民のみなさん、そして民間企業や行政機関などともフィールドで交流や実践を重ねながら、成果を応用した技術の確立と一般化を目指しています。
 みなさんも一緒に野山を駆け巡り、我々と調査研究をしてみませんか?