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正義にかなった社会とはどのような社会のことなのでしょう。私は具体的な法制度を素材に、この問題を考えています。「そんな問題への答えは人それぞれだ」と思った人もいることでしょう。もちろん「本当に人それぞれなのか?」も考察の対象です。
特に、ジェンダー(男女の二分法)とセクシュアリティ(性的な欲望や行動)に関わる法制度が私の研究テーマです。例えば、現在の日本では同性同士で法律上の結婚をすることができません。また、法律上の性別を変更することは可能ですが、日本の法律はそのために非常に厳しい条件を課しています。それらの法律を審議する国会議員はその圧倒的多数が「男性」です。これらの事態は果たして正義にかなっているといえるでしょうか。
正義にかなっているかどうか反応は激しく分かれるかもしれません。それでも、前提となる事実関係を厳密に吟味し、自分とは異なる立場をできる限り想像しながら議論していくことで、一歩一歩「正義にかなった社会」へと近づいていくことができるでしょう。そのような社会のためのささやかな踏み台となるような研究をしていきたいと思っています。