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野生動物との共存を目指した科学

教授 森林動物管理学

江成 広斗(えなり ひろと)

「人口減少」という新たな時代

私たちがこれまでに経験したことのない、社会の成熟化に伴う「人口減少」という新たな時代を迎え、「野生動物-社会-森林」のかかわりは急速に変化しています。その結果、シカ・イノシシ・サル・クマといった大型の野生動物による農業被害や生活被害(たとえば、人身事故、交通事故、家屋侵入、感染症の拡大)が世間の耳目を集める機会は急速に増加するようになりました。

社会問題へ発展

最近では、町中でもこうした野生動物がしばしば出没するようになり、日常生活の安全・安心が損なわれる社会問題にまで発展しています。さらに、森林内では、シカが急速にその数を増加させています。シカは、さまざまな植物を食べ続けることで、森林にみられる多種共存の仕組みを消失させる新たな脅威となっている地域もみられはじめています。

野生動物の生態・行動の理解

私の研究室では、「人口減少」という厳しい現実から目をそらさず、様々な時間・空間スケールから、野生動物問題の解決に資する実現可能な対応策を数多く社会に立案することを目指しています。問題解決のツールとして、本研究室では、野生動物の生態・行動の理解と、それに基づく適切な管理手法の開発だけに留まらず、野生動物と持続可能な共存を可能にする、人口減少時代に適合した社会設計についても日々検討を続けています。