掲載日:2017.10.16
教授 今田恒夫(公衆衛生学)
▲山形県コホート研究の健診風景
これまで山形大学医学部は舟形町、高畠町などでの地域住民健診受診者コホートを解析することで、生活習慣病の発症進行の関連因子を明らかにしてきました。その研究成果は、生活習慣病診療の基準となるガイドラインに多く取り入れられています。現在、さらに規模を拡大し山形県約2万人の健診受診者コホートを立ち上げ、健診検査項目、食事生活習慣、遺伝子情報を収集し、イベント発症を追跡調査しています。
これら一連のコホート研究は日本で卓抜した研究拠点に与えられる21世紀COE(Center of Excellence)、Global COEに続けて採択されており、国際的にも高い評価を得ています。
生活習慣病の発症には遺伝素因と環境因子の組み合わせが強く影響することから、一人ひとりの体質や食事生活習慣に基づいた個別化医療が望ましいと考えられています。山形県コホート研究は、個別化医療の確立に必要とされる様々なデータを有する世界的にも貴重な研究であり、生活習慣病診療の進歩に大きく貢献することが期待されています。