掲載日:2022.10.11
講師 後藤 みな(科学教育)
科学を学ぶ上でしばしば体験がよりどころにされます。例えば、「鍋から味噌汁が吹きこぼれた時、コンロの炎が青から黄色に変わった」という体験を基にしてナトリウムの炎色反応を学び、なるほどと思わず膝を叩いた人も多いのではないでしょうか。
しかし、体験したのに結局わからなかった、かえって間違った認識になってしまったということもあります。むしろ、体験と科学は原理的に異なり、相容れない関係にありますが、そのことを前提としつつも、科学教育における体験はどうあるべきなのかについて検討する必要があります。私は以上のことに関心を持ち、海外の科学カリキュラムや教科書、実践から示唆を得ながら、体験の可能性と限界性について考えています。
研究成果は、山形大学の教員養成課程の授業で活用しています。例えば、いかなる目的のもと、子どもは何を体験したらよいのか、それを体験することでどのようなことが可能になるのか/ならないのかなどについて学生と議論しています。
▲体験のあり方について学生と議論する様子
▲海外の科学教科書
▲紫キャベツを使って酸性/アルカリ性を調べる実験