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注目の研究社会科学

隠れた差別、隠された差別と「法」

掲載日:2018.10.11

 准教授 阿部未央(労働法・社会保障法)

 人種差別や男女差別はとっくの昔に禁止され、黒人だから、女性だからという理由で差別をしてはいけないことを私たちは知っています。しかし、ハリウッドの著名な映画監督のセクハラをきっかけに世界中に広がった「#Me Too」、医学部の入学試験における男性優位の点数加算など、世の中にはまだ差別が残っていたことを再認識させられます。差別は文化的・慣習的に温存され、ときに人々がその行為を差別と意識しないで行っている場合もあり一層複雑な形で残っているともいえます。

 私が研究対象としている「雇用における間接差別」とは、一見中立的な基準であるけれどそれが適用されたときにあるグループに対して不利益な影響を及ぼし、使用者の側で正当化することができないものを指します。たとえば、昇進時の「全国転勤」要件は女性に対する間接差別になるかもしれません。間接差別は、無意識な差別や社会構造に組み込まれてわかりづらくなっている差別を取り除くツールとして重要な概念です。日本では均等法において一部導入されましたが限定的であり、間接差別のよさが活かされていません。イギリスで発展した間接差別法理を分析・研究することで、日本の人々にとってより働きやすい職場環境になればと思っています。

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