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派遣期間:平成30年9月10日~9月21日
1.日本語教室での活動内容
日本語教室は、基本的に月曜日から金曜日に1日2コマ分授業に入った。しかし、1コマの日もあった。1年生から4年生、全ての授業に参加し、関わった。延辺大学は、他の派遣大学と違い、自分で授業をするのではなく、現地の日本語の授業に参加し、サポートしていく形であった。初めに3年生の授業に参加し、現地の学生から質問を受けたり、私たちも現地の学生に対して質問をしたりした。質問の答えは、翌日の授業でPowerPointを使用し、お互いに答え合った。その後は2~4年生の授業に参加する場合はグループワークの班の中に日本人学生が一人ずつ入り、与えられたテーマに沿って、話し合ったり、日本人学生が、現地の学生達に対し、簡単なスピーチなどを行ったりした。2週目には、1日だけ琿春(こんしゅん)にある別のキャンパスに行って、現地の1年生に対して、私たちで授業を考えて行った。1年生は、大学に入ってから日本語を学び始めた学生が多かった。そのため、まったく読むことが出来ない学生が多いクラスもあった。そのような状況の中で、日本人学生の授業として、「自己紹介」の仕方について、自分の名前、趣味、誕生日などの言い方の例文を用いて授業を行った。周りの人や日本人学生と、自己紹介し合うという授業だった。その中では、なるべく簡単な日本語を使用し、必要に応じて英語なども使用した。
2.日本語教室以外での交流活動
現地の学生との、コミュニケーションは基本的に日本語を使った。日本語が分からなくなると、現地の学生は翻訳アプリ等を使用して、積極的に話しかけてくれた。その他にも、昼食や夕食などに連れて行ってもらった。一緒に食事をしながら、日本の文化について話したり、大学生らしく、無駄話をして盛り上がったりして、楽しく過ごすことができた。現地の学生は基本的にWeChatを使って連絡を取っていた。私は、現地でGoogleが使用できない関係もあり、WeChatをなかなかダウンロードができず、連絡先を交換できなかった学生も多くいて、とても悪いことをしたなと思っている。現地の学生に、土日には、北朝鮮との国境付近の都市图们(ともん)や、現地のカラオケボックス、ショッピングモール、朝市などに連れて行ってもらい、休日もとても充実した日々を過ごせた。
3.参加目標の達成度と努力した内容
参加目標は、「海外文化を感じ、楽しむ」「他の人と積極的にコミュニケーションをとる」という2点を設定した。1つ目の「海外文化を感じ、楽しむ」に関しては、建物や交通ルール、言語、食事など様々な体験することができ、目標を達成できたと思う。延辺大学のある地域は、朝鮮自治区であるため、中国文化と朝鮮文化が混じり合っていて、店の看板やメニュー、バスのアナウンスなど至る所で、中国語と朝鮮語の2つが使われていて、とてもおもしろいと感じた。料理も、主に中華料理、韓国料理の2つがあった。とてもおいしかったが、料理が思った以上に辛く、現地の人の「普通」は日本人にとっては辛く、現地の人の「辛い」は日本人にとっては激辛というぐらいであった。私が現地に行って、特に食べてみたいと思っていた、狗肉も食べてみた。朝市に行ったときに、まるごと売られている狗肉を見て、とても驚いたが、いざ食べてみると、少し獣臭さは感じるが、牛肉のような感じで、おいしく、とてもいい経験をした。その他にも串焼きや、水餃子、火鍋なども食べた。
2つ目の「他の人と積極的にコミュニケーションをとる」に関しては、半分ぐらい達成できたと思っている。派遣当初は、人見知りや緊張していることもあって、なかなか私から話しかけることができなかった。そのため、昼食などは、他の日本人学生や彼女らを誘った学生について行くことが多かった。しかし、これではダメだと思い、なるべく積極的に声をかけることを意識し、昼食なども私から一緒に行っていいかなどと聞くようにもした。行動を変えてから、自分の雰囲気や気持ちも明るくなり、帰国する前には、現地でサポートしてくれたチューターの学生や一緒に行った日本人学生からも「明るくなったね」と言われた。もっと始めから、積極的にコミュニケーションを取っていればもっと楽しかったのではないかと思うと少し後悔している。
4.プログラムに参加した感想
このプログラムに参加する前には、私以外の派遣される日本人学生が全員女性であったことや、海外は家族旅行のハワイしか行ったことがなかったため、とても不安で、申し込んだことを、少し後悔することもあった。しかし、いざ行ってみると、だんだん楽しく感じるようになり、帰国する頃には、この体験プログラムが終わってしまうことに対して、寂しさを覚えた。私がこのプログラムに参加した理由は、大学に入って、新しいことに挑戦しようと思ったときに、このプログラムを見つけたからだ。そして、勢いで申し込んだ。派遣される前は、申し込んだことに対して、後悔したが、派遣後の今思うと、その勢いで参加してよかったと思っている。
私が、このプログラムに参加して、大きく感じたことは「民族」という存在だ。それを、一番大きく感じたのは、サポートしてくれたチューターの人との食事中に、漢族と朝鮮民族の二つの民族についての質問をしたときだ。日本にはアイヌ民族や琉球民族が存在するが、そこまで意識して生活することはなく、日本人に住んでいれは日本人と感じていた。その話の中で、間違えて漢族と朝鮮民族のことを、朝鮮人と中国人と言ってしまったとき、その場にいた現地の学生さんが、「漢族と朝鮮族だよ」とすぐに訂正してくれた。そのときは衝撃をうけ、「民族」について、具体的に感じることになった。
現地の学生と交流を通して、中国や中国人に対しての印象もよくなった。中国の学生も私たちとほとんど変わらない学校生活を送り、中国人も普通に日常生活を送っていることを感じられたからだ。
5.今回の経験による今後の展望
今回、中国に行って、コミュニケーションにおける言語の大切さを感じ、理系だからといって、英語などの言語をおろそかにしてはならないと感じた。また、この他にも海外に行って感じたことを、今後の生活に生かしていきたい。
▲大学の前
▲現地の学生と
▲現地での食事 串焼き
▲現地のでの食事 火鍋