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派遣先大学:延辺大学
派遣期間:2019年3月5日~3月18日
<日本語教室での活動内容>
延辺大学には日本語学科があり、1~3年生の授業に参加した。授業では主に4~6人のグループになって日本語での交流をした。お互いの国や大学生活、趣味などについて話した。どのグループでも必ず恋愛のことを聞かれた。年齢も近いし国が違っても興味があることは同じなんだと思った。中国では日本のアニメやドラマが人気らしくほとんどみんながそれらを観れるアプリを持っていた。私はあまりアニメを観ないため現地学生のほうがずっと日本のアニメに詳しかった。
授業というよりはもっと砕けた雰囲気だったためそこで楽しく友達作りができた。私が滞在した2週間のうち1回だけ90分の授業を自分たちで行う機会があり、そのクラスは大学に入学してから日本語を勉強し始めた1年生のクラスでレベルがあまり高くなかった。そのため私たちは日本語を使った簡単なゲームを行った。ゲームの説明自体も簡単な日本語を使ったが理解できていないようで、実際に例でやって見せると納得した様子だった。いくつかゲームを行い勝ったチームには景品として日本から持ってきたお菓子をプレゼントした。はじめは不安だったが授業を楽しんでくれてよかった。
<日本語教室以外での交流活動>
日本語教室以外では、授業で知り合った現地の学生と一緒に食堂でご飯を食べたり、休日には遊びに出かけたりした。日本語が得意な人もそうでない人も私たちに興味を持ってくれて誘ってくれてとてもうれしかった。私は第二言語として中国語を勉強しているため簡単な中国語で会話をしたり若者が使うような単語を教えてもらったり自分の勉強にもなった。
延辺大学がある中国の延吉市は朝鮮に近いためいたるところで朝鮮文化を感じることができた。出会う学生の2人に1人は朝鮮語を話す朝鮮族だったし、朝鮮料理の店がたくさんあったりそれ以外の店にもほとんど朝鮮語が記載されていてまるで韓国に来ているかのような感覚だった。
滞在中は様々な食べ物を食べた。サムギョプサル、羊の肉、火鍋、串焼き、チーズダッカルビや餃子など日本にはないものをたくさん食べた。延吉の食べ物はほとんどすべてが辛くて、辛いものが苦手な私は毎回これは辛いか、辛くないかを聞いていた。しかし全く辛くないよといわれたものでも大体辛くて、滞在中の食生活で辛さ耐性がついたと思う。日本にはないような味付けですごく辛かったがどれもおいしかった。
また延吉は物価が安い。特に食料の物価が日本に比べてとても安いと感じた。大学の食堂では200円くらいでおなか一杯食べられるし外食をしても日本ほどお金はかからない。スーパーに売っているお菓子も安いため日本に帰国する前にたくさん買った。
私は時間がなくて中国と北朝鮮の国境を見に行くことはできなかったがそれ以外にいろいろな体験をした。週末には近くの山まで行って登山をしてみたり若者に人気のショッピングモールで買い物をしたり民族衣装を着たりした。中国のカラオケや映画館に行き、日本と比べることもできた。これらの体験はすべて友達やチューターの人が連れて行ってくれてとても感謝している。滞在期間中はスマホやカメラでたくさん写真を撮った。小さなことも記憶に残したかったため毎日日記も書いた。
<参加目標の達成度と努力した内容>
私が渡航前に掲げていた目標は2つある。1つ目は学生の力になれるように自分から声をかけて積極的にサポートするということだ。これに関してあまり達成できなかったと思う。私たちが参加した日本語の授業は、交流会以外は毎回先生がいて先生が主体となって行う授業だったため私たちは後ろで黙って見学ということが多かった。なかなか歩き回って声をかけてサポートまではすることができなかった。それが心残りだ。しかし一度だけ自分たちで行った授業の時はゲームということもあり自ら回ってヒントを出したりすることができた。
2つ目は現地の文化に積極的に触れることだ。これはしっかり達成できたと思う。せっかく中国に来ているから食事はなるべくこっちのものを食べることにした。口に合わないものや食べるのを躊躇するようなものもあったがいい経験になると思いなんでも挑戦した。食事のほかにも現地の人々の生活を観たり体験したりした。中国の人は運動が好きで、学生たちも授業がないときはジムに通ったり走ったりしている。また近くの大きな公園では昼間に大勢の高齢者が集まって音楽をかけて踊っているのをみた。はじめは祭りか何かがあるのかと思ったが、これは中国では普通の光景らしく毎日踊っているそうだ。このように小さなことでも日本とは違う点を発見でき毎日新鮮で楽しかった。
<プログラムに参加した感想>
今回この学生大使で中国の延辺大学に行ってみて本当に良かったと思う。学生大使は前々から気になっていたが、私は中国語を勉強していて韓国の文化も好きなため中国文化と韓国文化を一度に楽しめるのは良いと思い行くことを決めた。中国に対して日本人が抱いているイメージは空気が悪い、遅れている、危険などあまり良くない。中国に行くということを家族や友人に伝えると大丈夫?とたくさん心配された。しかし実際に中国に滞在してみて私が行った地域は空気は汚くなかったし、治安は良かったし、遅れている点もあったが発展している点もあった。トイレは日本のほうが発展していたが、中国の発展している点として私が驚いたのは現金をほとんど持ち歩いていないことだ。大学内の食堂、スーパー、レストラン、タクシーまですべてスマートフォンで支払っていた。会計がさっと済むし大人数でご飯に行ったときもすべてネット上で割り勘ができるためとても便利だ。このように国それぞれに合った発展の仕方がありその違いを体験することができたのもいい経験だなと思う。
滞在中は山大生それぞれに一人ずつチューターがついたのだがチューターさん達には本当にお世話になった。みんな日本語が上手で延吉についていろいろ教えてくれたし私たちのやりたいことを全て叶えてくれてとても感謝している。この人たちとはずっと友達でいたいしいつか必ず日本か中国で再会したい。いい出会いに恵まれてよかったなと思う。
<今回の経験による今後の展望>
今回日本語学科の学生と交流して、日本語の勉強への熱意がすごいなと感じた。まだ日本語を学び始めて半年しかたっていない学生も上達が早いし、学年が上がるにつれ難しい単語や文法も使っていてみんな勉強を頑張っているんだと思った。私も語学を学んでいるためその点で大きく刺激を受けた。学生大使で中国に行ってみて、英語だけでなく中国語も日常会話程度できるようになりたいと思った。そのためこれからは授業だけでなく自分でもこつこつ勉強を続けようと思った。
初めて自分でチケットを取って飛行機に乗って海外へ行ったのはとてもいい経験になったと思う。外国の文化に接し日本との違いを見つけることは異文化理解につながるしとても楽しかったためもっといろいろな国へ行ってみたいと思った。その際にはまたこの学生大使というプログラムを利用したい。
▲延辺大学の前
▲授業での交流の様子
▲朝鮮の民族衣装
▲延吉で有名な火鍋の店