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澤田弓弦 人文社会科学部 地域公共政策コース 2年

派遣先大学:ガジャマダ大学 

派遣期間:8月28日~9月18日 

<日本語教室での活動内容>

日本語教室では現地学生チューターからの希望もあり、「初級」「中級」「上級」と三つのクラスに分け、月~木曜は日本語の授業、金曜は日本文化の授業を行いました。私は最初の人が到着してから一週間後に現地に着いたので、初級クラスの生徒さんたちでもすでにあいさつや自己紹介、簡単な文が作れるようになっており、語彙を増やすことを意識しつつ5文型や時制表現などを順を追って教えていました。初級の生徒さんたちは全体的に日本語を学ぶ意欲が凄まじく、数多くの質問をしてくれ、とても教えがいがあったように感じました。中級ではみんなの日本語という日本語学習者用テキストを用いて自動詞と他動詞の違いや細かな助詞の使い方等を教えていました。日本語のネイティブとして意識して使ってない表現も細かく質問され、説明に困るときもありましたが、教室を訪れた先生から理屈で伝えられないときは例を数多く出すことで生徒さんが自ら法則を掴み、使えるようになるとアドバイスを受け、その後はそういったように伝えることもありました。上級の生徒さんは本当にレベルが高く最初は何を教えればいいか戸惑っていましたが、会話はできるが文を書くとなると大変そうに見えたので作文や慣用句、類義語や対義語のテストを行っていました。そのほか全クラスで毎回必ず宿題を出すように心がけていました。

<日本語教室以外での交流活動>

日本語が上手な生徒さんは日本人とも仲良くなりやすく、私たちが宿泊しているホテルのロビーにも来ていたので、もちろん彼らとも遊んだり話したりしていましたが、日本語がうまくない生徒さんほど日本人とコミュニケーションを取りにくいことをわかっていたので初級・中級の生徒さんに授業後よく声をかけ、食事に行ったり遊んだりしていました。週末はボロブドゥール遺跡やプランバナン遺跡など観光名所に連れて行ってもらったのですが、建築物の荘厳さ、醸し出すオーラには心を打たれました。また、観光地に行くたび必ずと言っていいほど日本語で話しかけてくれる方、優しく接してくれる方が多く、日本人に対して親切にしてくれる人が多いように感じました。大学ではガジャマダ大学側担当のイピ先生の呼びかけでUGMと山形大のコラボイベントも行われ、ゲームなどを通じてより一層仲を深められたと感じています。

<参加目標の達成度と努力した内容>

私がこのプログラムに参加する前に立てた目標は二つあります。一つ目は「イスラム教を中心としたインドネシアの文化、社会構造について知ること」です。これは達成できたように感じます。インドネシアの文化は私にとって驚きばかりでした。まず驚いたのはお祈りの時間になるとモスクから時間を知らせる歌が流れてくることです。自分がムスリムだったら便利だろうなと思いながら聞いていました。また、ムスリムの女性でもインドネシアの伝統的な踊りを踊るときはヒジャブをつけていなかったことも衝撃的でした。そのほかゴミに関して分別という概念がないこと、フードコートで食べた皿などをそのままにしておくこと(他のいくつかの東南アジアでも見られた)にも驚きました。また、社会構造についてはインドネシア人から色々と聞くことや観察することで華僑の子は比較的裕福であること等知ることができました。二つ目は「日本語を教える際に日本文化も伝えること」です。この目標も達成できたと感じています。日本語教室に行くまでは知らなかったのですが、毎週金曜日は文化のクラスとなっており、そこで文化の紹介を行いました。初級のクラスでは折り紙やカードゲーム、上級のクラスではJ-POPの歌を取り上げ意味を確認したのち皆で歌ったり、山形の伝統文化や行事についてスライドを作って説明したりしました。

<プログラムに参加した感想>

着いて4日ぐらいは授業準備が大変なことと現地の食事でおなかを壊したことにより十分な睡眠時間が取れず、ベッドに倒れこむようにして寝る日々でしたが、1週間ほど経つとだんだんと慣れてきて、滞在生活を楽しめるようになりました。今回日本語教室で授業を行ったことで日本語を「使える」ではなく、日本語を「教える」というのがいかに難しいかということがわかりました。また、私は1年ほど前からコーランを読んでいるのですが、マジョリティとしてのムスリムの生活は日本で見ることができないので、直にその生活を見ることができたことで新たな発見が多くあったように感じています。今回のプログラムに参加してよかったと思えることの一つは現地人の友達が多くできたことです。私はどちらかというと相手が外国人であれ話しかけに行くタイプなのですが、海外へ旅行に行っても現地で仲良くなれる人は二、三人です。しかし、今回のプログラムに参加したことで連絡を取り合える友達が十数人できました。違う環境で育った人・生活している人は自分と大きく異なる考えを持っていることが多いです。そういった人達の異なった考えにふれること、議論し、理解することは人を成長させ、インスピレーションを与えると思います。このプログラムで多くの人と交流でき、文化・考えを知れたのは私にとってすごく良いことでした。

<今回の経験による今後の展望>

インドネシアの学生は授業でわからないところがあれば何でも質問してくれる人が多いです。そこには「まあいいやで終わらせない」「この機を逃すまい」といった強い意志が感じられました。自分も見習わなければいけないなと思いました。このプログラムに参加したことで自分の中で新たな生き方の選択の幅が広がり、また感化された部分も大きかったように感じています。面白い価値観や考え方を持っている人は海外だけでなく自分の周りにもいると思います。様々な人と積極的にコミュニケーションを取り、成長していくつもりです。

ガジャマダ大学交流会の画像
ガジャマダ大学交流会

海からの夕焼けの画像
海からの夕焼け

授業風景の画像
授業風景

バティック(伝統衣装)の店の画像
バティック(伝統衣装)の店