ホーム > 国際交流・留学 > 学生大使派遣プログラムについて > R1ガジャマダ大学 > 鈴木晴登

鈴木晴登 工学部 情報エレクトロニクス学科 1年

派遣先:ガジャマダ大学 派遣期間:2020年2月20日~2020年3月20日

 日本語教室では各レベル順の初級・中級・上級の3クラスに分けて行った。

 初級クラスでは主に“ひらがな”や“カタカナ”、“数字”を指導した。目標としては“ひらがな”と“カタカナ”が読み書きできるようになること、自分の名前を“カタカナ”で表記できるようになること。また“数字”を日本語で読めるようになることである。学生たちが日本語で何と言うのか知りたがっていた単語なども“ひらがな”や“カタカナ”を使って教えた。さらに生徒たちの名前の書き方を“カタカナ”で教えた。この時点で覚えの早い生徒には“わたしのなまえは~です。”というように軽い自己紹介のやり方を指導した。

 中級クラスの生徒は“ひらがな”や“カタカナ”が読み書きでき、ある程度の日本語の単語も覚えている人が多い。特に日本語の“文法”を指導した。未来形や過去形、平叙文や質問文の構成の仕方を使い分けられるようになることが到達目標である。また、初級クラスで指導した自己紹介よりも込み入った詳しい内容の自己紹介の仕方も紹介した。ガジャマダ大学の学生の多くが英語を上手く使えるため、英語のS,V,O,Cなどと比較しながら日本語特有の順番を指導した。このクラスでは“文法”の指導時に出てきた単語の漢字も適宜指導した。

 上級クラスの生徒たちはすらすらと日本語を話すことができ、聞き取ることもできるため基本的には日本人たちとの会話の時間を多くとるようにした。しかし日本語が得意ではないが、日本語を話したいために上級クラスに来る生徒もいたため、ゆっくり話すグループとすらすら話すグループに分けた。各グループで日本の文化を話し、また日本とインドネシアの文化や宗教、風習の違いについて話した。さらに、話していてガジャマダ大学の学生が間違えた日本語の使い方をしていた場合は、適宜指摘し指導をした。特に多かった間違いは“ある”と“いる”の使い方である。人間は“いる”であるが他の動物はどちらなのかなどといった部分でも会話が弾む場面があった。

 ガジャマダ大学では毎週金曜日に“日本文化クラス”という日本の文化を教える授業が開かれている。ここでは日本人が日本文化に馴染みの深いものを持参し、ガジャマダ大学の生徒に教えるというクラスである。私たちは“折り紙”や“お手玉”や“書道の用具”や“甚平”、“駄菓子”などを持参して現地の学生に日本文化を紹介した。また、“日本地図”を紹介し山形県や私たちの実家がある県、現地の学生が知りたがっていた県などについても紹介をした。

 日本語授業外では現地のガジャマダ大学生徒が様々な場所を紹介してくれた。私たちも積極的に上級クラスの生徒以外にも中級クラスや初級クラスの生徒とも交流をするように心がけた。初級クラスや中級クラスの生徒は自身の日本語力に自信がないためあまり積極的に交流をしてくることは無かった。しかし彼らは日本人ともっと話したいと考えてくれていたため、授業後などにこちらから話しかけることを意識した。滞在中のご飯はすべて現地の大学と共にした。現地の大学生のみが知る変わった飲食店にも連れて行ってもらい、とても有意義な時間を過ごせたと感じている。また、イスラム教信者は決まった時間に1日で5回お祈りをすることを紹介された。日本の宗教の考え方とインドネシアの宗教の考え方の違いなどを議論することもあった。

 私の今回の学生大使の達成目標は“学生大使の経験から物事を多面的に捉え、今後の学生生活をより良いものとする”であった。今回の学生大使で海外の国の人たちは様々な考え方や信仰をしていることを再確認することができた。昼食時に地球温暖化や新型コロナウイルスのことについても議論することがあり、人それぞれ様々な意見を持っていてとても勉強になるものであった。このようなことを学生大使期間に多々経験し、私は様々な考え方や物事のとらえ方を吸収することができた。私は今回の学生大使によって物事に対して多面的な考え方や捉え方が得られたと強く確信している。またこの考え方や捉え方は今後の研究室での研究や実験でとても活躍するのではないかと考えている。よって、今回の学生大使の達成目標の達成度は十分達成できたと自信を持って言えるであろう。

 努力した点はインドネシアの生徒と会話や議論をするときに自身の意見をしっかりと言うようにした点である。基本的に海外の生徒は物事に対してしっかりと意見を持っており、自身の意見をはっきりと言うということが当たり前である。それに対して日本は周りの反応や雰囲気を深く考えすぎてしまう傾向にあり、アクティブな意見交換が難しいことが多い。そうならないために私はインドネシアの学生と意見交換をするときには理由も添えてはっきりと意見を言うように努めた。

 今回の学生大使プログラムにより以前からあった海外への興味がさらに深まったと感じている。以前から山形大学の交換留学制度を使って長期留学に行きたいと考えていたが、この願望が目標になったと確信した。このように学生大使プログラムは今の自分の考え方や行動を変えてくれるだけでなく、目標を明確化する機会にもなりえる。私自身のぼんやりとしていた目標を明確化してくれた学生大使プログラムには感謝しかない。学生大使プログラムにより本質的な意味で自身を変えることができた。今後は明確化することができた目標に向かい精進していきたいと考えている。本当に今回の学生大使プログラムに参加して良かったと感じている。

 今回の学生大使プログラムに参加し、日本国内のみでは得難い経験をすることができた。周りの視線を気にしすぎず自身の意見をしっかりと言うことの大切さ、宗教やその国の歴史を考慮した会話の行い方など日本国内では直面し難い局面が多々あった。そんな環境下に身を置くことができたのは、現地の生の環境に触れ合える学生大使プログラムであったからこそであると考えている。この学生大使プログラムで得た経験や知識は今後のグローバル社会で必須になってくるものであろう。また多面的な考え方はクリエイティブな発想が求められる今後の科学の世界で必要とされる考え方である。グローバル社会や発展してゆく科学の世界で活躍するためにも今回のプログラムで得た考え方や経験をしっかりと吸収し活用していけるようにさらに海外のことに興味を持ち、文化や習慣を理解してゆきたいと考えている。

ある日の日本語授業の後に取った集合写真の画像
ある日の日本語授業の後に取った集合写真

放課後に生徒とカラオケに行った時の写真の画像
放課後に生徒とカラオケに行った時の写真

休日に海に連れて行ってもらった時の写真の画像
休日に海に連れて行ってもらった時の写真

日本文化の授業で書道をした時の写真の画像
日本文化の授業で書道をした時の写真