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今野真尋 地域教育文化学部 児童教育コース 1年

派遣先大学:ベトナム国家農業大学 派遣期間:2020年02月24日~03月09日 

<日本語教室での活動内容>

 今回の留学先では、新型コロナウイルスにより、日本語教室が行われていなかったため、ほとんど日本語を教える体験はしていない。しかし、私たちの留学中のお世話をしてくれた、日向クラブのメンバーには、個人的に日本語能力試験のテキストをもとに、質問に答える形で、勉強会は行っていた。

 勉強会はほとんど日本語で行っており、日本語が難しいときには、日本語ができる現地大学生の人に手伝ってもらいながら行った。私たちの宿泊先のベッドに座りながらやったり、お昼寝のついでに横になりながら、日本語の発音を練習したりして、普段の予定されていた授業よりも、気軽で堅苦しくない取り組みだったと思う。勉強会の際に、まず意識したことは、日本語のボキャブラリーを現地の大学生に合わせることである。日向クラブのメンバーは、日本語が上手で、説明も特に問題なくできたが、たまに意識する、配慮する、考慮に入れるなど複数の似通った意味に躓くことがあったため、普段使っている日本語よりも分かりやすく、簡単な単語を使うことが多かった。

 次に意識したのは、助詞や文節のあいだに、間を開けて話すことである。これは、普段の生活でも何となく意識してやっていたこだが、「私は よく 甘いものを 食べるから 歯は しっかり 磨くように してるよ」などのように、多少長い文であっても、一呼吸おいて話すと、少し複雑な会話もできて、楽しかった。現地の学生と、将来の夢の話や、日本とベトナムの大学の違いなどの話もできたし、何より、あなたの日本語は分かりやすいと言われて、とてもうれしかった。 

<普段の生活について>

 留学中の普段の生活では、衝撃的な事ばかりだった。衛生環境が日本より少し劣っている点でもそうだし、何より食文化の違いを意識せざるを得なかった。

 ベトナムの食事は、基本的に、酸っぱいような、酸味のある味付けが多い。野菜もシソやパクチーなど癖のある食べ物が多く、2日間は慣れなかった。加えて、日本ではあまり食べないカエルの足や皮、孵化直前のアヒルの卵、豚の内臓を煮込んだお粥など、様々な物珍しいものを食べる機会があり、戸惑った記憶がある。しかし、味の違いにはすぐになれるし、現地そのままの食文化を体験できたという面では、いい経験になったと思う。ちなみに、カエルやアヒルの卵は、どれも美味しかった。

  食文化の次に、意識したのは民族性の差である。基本的には日本人との違いはないが、街を歩いていると、店や普通の家で、店番の人が、お客がいるにも関わらず、長椅子に寝そべっていたり、おじさんたちが扉全開で、下着姿でくつろいでいたりするので、個人と他人の隔たりが薄いことが分かった。また、現地の大学生を見ても、男女の距離が近くフレンドリーな学生が多かった。

 また、バスに乗ってスーパーに行った日、バスに高齢の男性が入ってきたとき、すぐに車内の3人が席を立って譲ろうとしていた。日本では、3人もたとうとはしないし、席を譲らない場合もあるので、そういった年上を敬う精神や、他人に向ける温かさのようなものは、日本ももう1度学びなおす必要があると感じた。

<参加目標の達成度と努力した内容>

 今回のプログラムに参加する上での目標は、自分の知らない世界に触れることで、視野を広げることであったが、そのために努力したことは、くるものを拒まず受け入れることである。料理でカエルが出されたときも、日本と違う生活環境に戸惑ったときも、とりあえず、これがこの国の人たちの普通だと思って、順応していく。すると、本当に小さな単位での、固定観念や、常識が崩れていく感覚を、繰り返し経験する。最終的には、ベトナムという国について、日本という国について、街並み、人、食、経済、衛生環境、様々な面から考える要素に気づくことができ、視野が広がっていったと考える。

 <プログラムに参加した感想>

参加までの手続きに戸惑ったり、現地での日本とのギャップにストレスを感じたり、少し苦労したこともあった。しかし、それ以上に、自分の意志で海外に行き、そのままの国を体験してきたという事実には、学べることが多くあり、今後の生活にもきっと何かしらの形で役立つものだと感じている。

 <今回の経験による今後の展望>

今回の経験を経て、1つ、具体的に頑張ろうと思ったことがある。それはTOEICである。現地大学生との交流を通して、彼らの語学力の高さに驚かされた。加えて、彼らと将来について語り合う内に、自分の大学での学びへの意欲も高まった。今後はさらにモチベーションを高く持って、大学生活を送りたいと考える。

勉強会の風景の画像
勉強会の風景

大型ショッピングセンターの前の画像
大型ショッピングセンターの前

帰国前日のフルーツパーティの画像
帰国前日のフルーツパーティ