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堀真由香 工学部 高分子・有機材料工学科 1年

派遣先大学:ベトナム国家農業大学

派遣期間:2019年9月2日~9月20日 

<日本語教室での活動内容> 

 日本語教室は平日に、10:00-11:30と15:40-17:10と18:30-20:00の三回行われていた。上級と初級に分かれ、上級は9月13日に終了した。 

 上級クラスは、毎授業少人数だった。日本語能力が高い人が多い。そのため会話することを主な目的とし、将来の夢や趣味、人間の性格について伝え合った。また、生徒さんが最近何をしたかを話してもらったり、私自身や日本について質問してもらったりと、より自然な会話ができるよう心がけた。 

 初級クラスは、午前のクラスと午後のクラスは少人数であったが、夜のクラスは人数が多めであった。午前と午後のクラスについてはホワイトボードを主に使用し、生徒が質問をしやすいようにできるだけ近い距離で授業を行った。夜のクラスは人数が多いため、教室の黒板を使用した。一方的に教えるだけにならないよう生徒との一体型授業を目指した。私が派遣されたときにはひらがなは終わり、カタカナからの授業であった。カタカナの授業は、カタカナを書いて発音してもらい、そのカタカナが用いられている言葉を紹介する。カタカナを教え終わった後は、ひらがなとカタカナの復習の時間をたっぷりとった。その後、自己紹介などの基本的な会話を生徒同士で行って貰った。それからは数字や日数、人数、時間、家族を教え、趣味や仕事についての語彙も教えた。ある程度教え終わったあと生徒から、動物や色、食べ物を教えて欲しいとの要望があったため、それを教えた。 

 最後の授業ではドラえもんの歌を歌ったり、日本のじゃんけんを教えたりして、楽しみながら活動を終えた。 

 「日向クラブ」という日本語愛好会の人達が、授業のために手作りカードを持ってきてくれたこともあり、とても授業がしやすい環境だった。 

<日本語教室以外での交流活動> 

 日本では食べることの無い蜂や蛙、アヒルに加え、日本でいう納豆的存在のベトナムの食べ物を食べ、食文化に多く触れることができた。また、私が渡航した期間に日向クラブのメンバー2人の誕生日があり、誕生日会を二回経験できた。ケーキに花火がついていることに驚いた。ベトナムへ行った初日はベトナム国民の休日にあたり、ベトナムの伝統的な遊びをみんなでしたり、パーティーに参加した。日本の十五夜にあたる9月15日には「中秋節」があり、そこで使う飾りの手作り体験もさせてもらった。民族衣装に興味があることを伝え、アオザイをレンタルし、大学構内を回って写真撮影をした。とても良い経験を沢山することができた。 

 授業が無い土日には、少し遠出をさせてもらった。移動手段であるバスは、日本のバスと比べて運転が荒く、揺れに耐えることが大変だった。バスに高齢者が乗ってくると、座っていた若者はすぐに席を譲る光景に感動した。古い街に行った際には、焼き物の体験をし、焼き物に書く絵を見てベトナム人の絵心の凄さに驚いた。イオンやメガモールには日本からの輸入品が多く売られており、店も日本の店が多く、ベトナムが親日であることを感じた。渡航期間中に五回ほど行ったハノイ市街地では、教会を見に行ったり、たまごコーヒーを飲んだり、買い物をさせてもらった。治安は悪いが、観光客が多く沢山の国の人に出会えた。渡航期間最後の休日には美術館に連れて行ってもらった。とても大きく、地下から3階まで展示があった。ベトナム戦争に関する展示が多くあったため、ベトナムの歴史をもっと調べてから来るべきだったと後悔した。 

 ベトナム人と沢山ふれあう中で、ベトナム語を少し教えてもらった。フランス人が作成したアルファベットを使い、発音は中国の影響を受けていることを現地学生から教えて貰い、勉強になったと共にとてもベトナム語に興味を持った。 

<参加目標の達成度と努力した内容> 

 生徒誰に対しても平等に、積極的に話しかけることを目標としていた。1人に偏らないように全員に話を振り、夜の全体の授業でも生徒に指名したり、生徒同士で会話して貰うなど、全員が授業に参加できるように工夫した。そのため目標は達成できたのではないかと考える。共に話し学んで貰いたい、とにかく楽しんで覚えて貰いたいという目標も、大方達成できた。夜の授業は人数が多く、一人一人と話す時間がとれなかったため、そこは達成できたとは言えない。しかし、そのほかの授業では全員に名前を聞いて一人一人と話そうと努力したり、授業に飽きないように日本語英語だけでなくベトナム語も少し交えて笑いをとりながら授業できた。最後の授業で、握手や写真を求められたり、生徒に「あなたのことは忘れない」と言われたときは、頑張って良かったと心から思った。 

<プログラムに参加した感想> 

 ベトナムに到着した初日から感じたのは、時間にルーズだということだ。集合時間を過ぎるのは当たり前で、その点は最初戸惑った。バイク王国として知られているベトナムだが、想像以上にバイクや自転車が多かった。家族5人でバイクに乗っていることは普通なのである。私も実際バイクに乗せて貰ったが、相当運転技術が高くないとベトナムでは運転できないなと感じた。道路に引かれた線や信号があまり機能しておらず、日本と違って車やバイクの合間を縫って人が歩くため、とても大変だった。ゲストハウスでの生活では、トイレや風呂が日本と大きく違い、慣れない生活に体調が優れないときも多々あった。また、ベトナムはとにかく物価が安く、一食100円程度で食べることができたため、想像以上にお金を使わなかった。以上のように、日本との違いを多く肌で感じると共に、日本の素晴らしさやベトナムの面白さに気づけた。 

 学生大使という自由度の高いプログラムのおかげで、観光で来ただけでは体験できないようなことを沢山経験できた。授業を通して沢山の生徒に感謝されることは、なかなか体験できないことだと思う。参加して本当に良かった。 

<今回の経験による今後の展望>

 違いを多く知れたと言ったものの、ベトナム人の性格は日本とほとんど同じだと感じた。現地の学生と過ごしていて、趣味の話で盛り上がったり、洋楽を歌ったり、日本で友達と一緒に過ごしているのと変わらないほど楽しかった。しかしただふざけているだけでなく、現地の学生はそれぞれに夢を持っていて、日本に留学するために頑張っていたり、海外に出るために英語や日本語の他に中国語などまで学んでいたりした。隙間時間にすぐ教材を開いて勉強したり、食事中に日本語を聞いてくるなど、学習意欲の高さにとても心打たれた。今後そんなベトナム人を見習い、高い意欲を持って学習していきたい。学生大使のように、今しかできないことを積極的に行っていこうと思う。

初日のパーティについての画像
初日のパーティについて

上級クラスの様子の画像
上級クラスの様子

中秋節の飾りを手作りした際の画像
中秋節の飾りを手作りした際

授業最終日の集合写真の画像
授業最終日の集合写真