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森口二千翔 人文社会科学部 グローバルスタディーズコース 1年

ベトナム国家農業大学 8月20日~9月3日

〇日本語教室での活動内容

今回は、「初級日本語コース」と「日本語コミュニケーションコース」に分かれて日本語を教えた。1日に、①10:00~11:30、②15:30~17:00、③18:30~20:00の3つのうち一人2つを担当することになった。今回、最初の3日間は山大生が私しかいなかったため、「初級日本語コース」の3つすべてを担当したときもあった。その後、「日本語コミュニケーションコース」も山大生と交代で担当して授業を行った。学生は、若い人で高校生の16歳~社会人の24歳までいた。まずは、ひらがなから教えた。「つ」が「ちゅ」や「ず」、「ゆ」が「じゅ」に聞こえがちだった。そんな時は、1人1人確認しながら教えた。「つ」の場合は、歯の裏に舌をつけてやさしく発音することを絵でみせたり、自分の発音するときの舌を学生のとなりに来て見せたりすると、きれいに発音できていた。「ゆ」の場合は「i+u(い+う)」を高速で言うことを伝えるとよくできていた。授業では、何度も一緒に発音するようにした。簡単な単語の組み合わせを作ったり、私が黒板にたくさんのひらがなを書き、発音したひらがなを学生に手で消してもらったりするゲームをした。チーム戦にすると同じチーム内の学生同士で教えあい、歳の離れた学生同士で交流ができていて楽しそうであった。「日本語コミュニケーションコース」では、日本のお祭り、祝日などを紹介した。Wi-Fiが大学内になかったため、スマートフォンで絵を取り込んでから授業に臨んだりした。コミュニケーションのクラスはときどき、深く質問する学生もいたため、電子辞書をつかって英語や写真をみせて対応した。ベトナムの学生は英語が苦手の人も多かったため、言葉で伝えるよりも絵や写真のほうがよく伝わっていた。時々、ベトナム語をサポートの学生の方に書いて教えてもらったり、日本で買ったベトナム語の単語帳を活用して発音すると、学生がニコニコして頷いたり、私のベトナム語が下手だとみんながその単語を発音して教えてくれたのは本当にうれしかった。ベトナム語を話すのが難しいように、みんなも日本語が難しいのだと感じた。

〇日本語教室以外での交流活動

上記で述べた授業時間以外は、食べたり飲んだり、大学内のヤードで運動したりした。食べ物は、フランスパンに肉や卵を挟んだバインミーや、定番のフォーを食べた。どれも日本人の味にあうものばかりで驚いた。どの料理でもスープがおいしく作られていた。飲み物もすべておいしかった。また、よくフルーツをベトナムでお世話してくれた日向クラブの方がゲストハウスに持ち込んでくれ、さまざまなベトナムの果物を食べた。ジャックフルーツ、スイカ、ランブータン、ザボン、マンゴー、ミカン、竜眼、ドラゴンフルーツ、パイン、バナナなど、どれも日本より甘くておいしかった。すこし匂いのあるものもあったが、私はあまり気にならなかった。身近にこういった果物があるベトナムの人は本当に羨ましかった。日向クラブの方がいろんなところに連れて行ってくれて、様々な人と出会った。放課後にボランティア活動をしている学生、笛やギターを弾く学生、派遣大学の英語の教師をしている大学生などである。ベトナム人は日本人と似てシャイなところがあるが、とてもフレンドリーな人が多いと感じた。初めて会う人でも以前からの知り合いのように話しかけて、笛を借りてみんなで吹いてみたり、バスケットボールを借りて一緒にバスケをしたりした。8月30日は映画「天気の子」がベトナムでの公開日で、みんなで観にいった。ベトナム伝統衣装のアオザイも着た。焼き物で有名なバッチャンや、バイディン寺にも連れて行ってもらい、文化や歴史も考えられた。

〇参加目標の達成度と努力した内容

今回の目標は2つあった。1つ目は、「自己管理能力を高める」ということだ。自分はよく人を頼ってしまうところがあったが、ベトナムに行く前よりその力は高くなったといえる。一人で外国に行くのは初めてだったため、自分で何とかしなくてはいけない場面がほとんどだった。航空券の手配からベトナムの情報の入手といった準備から、滞在中の体調管理や危機管理、宿泊先のゲストハウスの施錠など、様々な場面で自己管理能力を養えた。例えば、滞在中はスリや野犬に気をつけたり、路上で売っている人に気軽に近寄って買わされないようにしたり、バイクが後ろから来ないか注意するなど、様々なことに気を配って生活した。衛生的にどうか分からないものを食べる場合は、量などを考えて体を慣らしていった。もともとおなかは強いほうであったが、ひどい下痢や腹痛もなく過ごせた。前回、山大生が集団で食中毒になった話を聞いていたため少し怖かったが、自分の体と相談して存分にベトナム料理を楽しめた。2つ目は「積極的にさまざまな人と関わる」ということだ。実際には、日本語を教える際に学生の名前を覚えるように心がけたり、派遣先大学の英語の授業にすこしだけ飛び入り参加させてもらい、簡単な英語で会話したりすることで様々な人の興味、関心を知ることができた。日向クラブの人とは難しい話もできて、今研究していることを教えてもらったりした。機会があれば自分から話しかけることができた。いままでの時分はなかなか自分から何かすることができなかったため、自分に自信が持てたと思う。

〇プログラムに参加した感想

このプログラムでベトナムに行けて本当に良かった。旅行で行ったら分からなかったことばかり体験こと、学ぶ人同士が出会えることがこのプログラムの最大の魅力だと思う。このプログラムを支援してくださったすべての方々に感謝申し上げます。

〇今回の経験による今後の展望

これから大学で具体的にどんな力をつけていこうか真剣に考えるきっかけになった。急成長しているベトナムを肌で感じて経済学を少し学んでみたくなった。またベトナムを訪れたら、今回出会った学生と再会して互いに成長した姿を見せ合いたい。英語や専門を学び、スキルアップした姿を見せられるようにしたい。

バイリンというお寺で撮った写真の画像
バイリンというお寺で撮った写真

バスケをした大学内のヤードの画像
バスケをした大学内のヤード

日本語を学ぶ学生がベトナムのことも教えてくれた様子の画像
日本語を学ぶ学生がベトナムのことも教えてくれた様子