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黒河歩実 地域教育文化学部 文化創生コース 1年

派遣先大学:ベトナム国家農業大学 派遣期間:2020年2月24日~2020年3月13日

・現地での活動

新型コロナウイルスの影響により、大学は休講しており、日本語教室は開催されなかった。

お世話をしてくれた現地の大学の日本語クラブ(日向クラブ)のメンバーや卒業生の方々との交流の他に、英語の先生が実施して下さった現地の学生との英語による文化交流を行った。

日向クラブの人たちは日本語試験を受ける予定があるので、テキストを使いながら勉強をしており、寮の部屋で質問を受けて、文法や言葉に関しての説明をした。受動態や能動態による文法の変化や、類義語の使い分けが難しかったようだ。同じ漢字が利用されている二字熟語に関しても混乱することが多い様子だった。また、個人的に、仏教美術に強い関心があるため、日本の寺の写真や仏像のポストカードを見せながら、説明をし、ベトナムの有名な仏像を教えてもらった。漢字に興味がある人がいたため、漢字練習帳で仏像の漢字と日本語の読みを教えていた。如来は、ベトナム語では「ニュライ」、菩薩は「ブータン」と読むことを教えてもらい、外来文化に関しては読み方が近いことが判明した。

英語による異文化交流は、英語の先生のご厚意で開催されたようだ。現地の学生7人ほどと日向クラブの人々とまずは英語で自己紹介をした。そして、日本人1人に対し現地の学生1~2人のグループを作り、英語の先生が用意してくれたプリントに書かれている英語の質問に答えながら会話を進めた。山形大学構内で撮影した雪の写真や、日本の寺や花火の写真を見せて説明していた。ベトナムでは、雪が見られないところが大半で、正月に花火を上げるようだ。文化の違いを発見し、日本らしいと感じていたものが海外にもあることを発見した。また、英語のrの綴りがベトナムでは違うので、聞き取れなかった単語をスケッチブックに書いてもらった際に理解できず、混乱した。 

・その他の活動

BAT TRANGに行き、粘土から陶器を作り、絵付けまでする体験をした。実際に陶器の形にするのは大変難しかった。近くの屋台で、キャッサバのケーキを食べ、サトウキビのジュースを飲んだ。

シルク村へも連れて行ってもらった。蚕の見本や機織り機が展示されており、実際に機織りしている様子も見学できた。シルク村に到着する前に、現地のコーヒーチェーン店で、蓮の種が入ったコーヒーを飲んだ。

TRANG ANとBAI DINHの観光をした。前者では、大きな川の上を船頭が漕いでくれ、4人乗りのボートで移動した。途中でいくつかの神社があり、降ろしてもらった。2回ほど鍾乳洞の中を移動した。ヤギ肉が有名なようで、近くのレストランで食べた。ラム肉よりも臭みがなかったのが意外だった。空心菜やコメのおこげせんべいのようなものや、グアバを食べた。グアバは便秘に効くようだ。後者は、テーマパークのような寺の敷地を歩いて回った。日本の寺は屋根が大きく重心が低いが、ベトナムでは屋根の建物に対する割合が低かった。塔もあったが、日本の五重塔とは比べものにならないほど重なっており、遠くからでも見えるほど背が高かった。また、装飾が華美だった。

また、民族衣装のアオザイを着て、大学構内で撮影をした。 

・参加達成度と努力した内容

日本語教室は開催されなかったので判断が難しい。

日向クラブの人々は日本語が上手だが、質問の詳しい目的が分からないことがあったので、言葉の意味が分からないのか、使い方に疑問があるのか、答え以外の選択肢の言葉の意味を理解できているのか、などと聞き返す努力をした。答える際に自身で疑問があった際には、インターネットで2・3個のサイトを確認してから答えるようにしていた。

仏教に興味があったので、日本国内で巡った寺の写真を予め分けておいたり、仏像の写真のポストカードを持っていていたりしたこと、また、アニメのキャラクターのカードやファイルを持って行ったことで話が弾んだ。加えて、日本のせんべいや、抹茶のキャンディー・チョコレートを持って行ったのは喜ばれた。そして、日本から緑茶と番茶を持っていって、淹れて飲んでもらったら、現地の茶の味や淹れ方の文化の違いが分かった。

以上のように、教材を十分に用意していたことは、日本語教室が開催されなかった場合においても役に立った。

これらのことから、日本語教室はなかったが、渡航前授業の際に立てていた目標は大半を達成できたと思える。 

・プログラムに参加した感想

今回は世界中で新型コロナウイルスが流行していたこと、初めての海外渡航において1人で現地に到着したことや、ビザが必要な滞在期間であったことに加えて、持病もあるので大変不安であった。しかし、日向クラブの人々は日本に興味を持ってくれているし、どこに出かけるにしても共に行動してくれたことは心強かった。現地の人と深い交流ができたことで、旅行では体験できない、現地の生活に溶け込むような生活ができたことが嬉しかった。

また、日本とベトナムの違いを発見する他にも、日本語や日本の文化について教える際に、自分自身が学習することや発見することが多いことに気づき、貴重な体験をさせてもらったと感じた。 

・今回の活動による今後の展望

私は、今年の秋に日本語能力検定試験を受ける予定だが、今回の活動を通して、自身が住んでいる国の言語についての無知を痛感したので、このことをモチベーションに深く学習していきたいと思った。

また、自分たちが受け入れてもらったように、いつか海外から人を受け入れるときには、精一杯おもてなしができるようでありたいと思った。そのためにも、自分の国についての知識をもっと深めたいと感じた。

寮での日向クラブの人への日本語指導の様子の画像
寮での日向クラブの人への日本語指導の様子

大学構内でのアオザイを着ての撮影の画像
大学構内でのアオザイを着ての撮影

バッチャンでの集合写真の画像
バッチャンでの集合写真

シルク村の入り口にての画像
シルク村の入り口にて