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伊藤璃郁 地域教育文化学部 児童コース 2年

派遣先大学:ラトビア大学

派遣期間:2019年9月9日~9月23日

・日本語教室での活動内容

 ラトビアでの日本語教室では、受講者数よりも日本人学生の方が多い状況ができていたため受講者1名に対して日本人学生が1名から3名ほど付いてグループごとに学習を行なった。また、日本語の習熟度によって活動の時間帯を2つに分けて行なった。

学習活動の内容として、授業ごとに受講者に学習したい内容を尋ね、やりたいことや興味を持っていることがあった場合はそれらに沿った学習を行なった。例えば、漢字の熟語について学習した際には初めに漢字の熟語を書き、第二に熟語の意味を説明、第三に熟語に含まれる漢字一字ごとの意味を説明するという内容で行なった。また、初めて日本語に触れる受講者に対しては当人の名前を平仮名や漢字の当て字によって書き表す作業や日本語による自己紹介、日本の文化を紹介するなどを行なった。さらに、最後の日本語教室ではグループごとに絵しりとり、カルタなど我々日本人が親しみを持つ、伝統的な遊びで交流し、その後は有名な日本のアイドルグループの一曲を取り上げて言葉の意味や日本語で歌を歌う学習を全体で行なった。

・日本語教室外での交流

 日本語教室で1日の活動が終了すると、よく受講者の皆さんが夕食に連れて行ってくれた。日本でいうファミリーレストランのようなお店やファストフード店、アジア料理の専門店など様々な種類の食事を食べることができ、食事を通して日本とヨーロッパの食文化の違いに触れることができた。

また、ある2人の受講生が空いた時間や休日に市街地を案内してくれた。ラトビアの首都リガの旧市街は中世の街並みが今尚残されており、日本にはない建築様式や街の様子は目に新しく美しいものだった。リガはその美しい街並みを武器とした観光業で賑わっているらしく、至る所で土産屋や露店を目にすることができた。

さらに、休日には大型ショッピングモールを案内してくれた。ショッピングモール内にはスーパー、服飾店、飲食店、娯楽施設など様々な店が並んでいた。ショッピングモールの中央にはガラス張りのスケートリンクが存在し、誰もが気軽に滑ることができるようになってきた。日本と比べると、ラトビアの人々はアイススケートやアイスホッケーなど、氷上の競技により親しんでいるようだった。これも国ごとの文化や気候の違いなどが関係しているのではないかと考えた。また、飲食店のメニューにはラトビア語、ロシア語、英語などといくつかの言語で料理名が示されているものが多かった。

・参加目標の達成度と努力した内容

 今回の日本語教室での目標は、受講者のやりたいことをやるというものを立てた。達成度は5割ほどだと感じた。内容として学習の開始時、相手にやりたいことを尋ねそれに沿って活動を行なった。なるべく受講者が興味を持ってくれるようなことができるようその場で考えてホワイトボードを用いた学習を行なったが、振り返ってみるともっと興味を持ってもらえるような題材があったのではないか、もっとわかりやすいホワイトボードの使い方や説明の仕方があったのではないかという反省が残った。授業が始まってから学習の題材を決める方法は受講者の興味関心に沿って学習ができるという利点があったが、板書計画を練ることができない、短い時間で学習内容を決めなければならない、英語での説明を考える時間がないなどの欠点があり臨機応変な対応をとることが求められた。

・プログラムに参加した内容

  本プログラムは参加者が主体となる自由度の高いものであった。自宅を出発してから派遣先国の空港に到着するまでは自ら段取りを決め移動することが求められ、派遣先到着後も日本語教室の授業内容、滞在中のすべての予定の管理などを大学や先生方の手を借りず、私達の力でこなす必要があった。誰からも介入されず自由に自らの目的に沿って計画・行動することができたが、海外で自身の身を守ることや自らの力で計画を立てなければいけないことなど、自由には責任が伴うのだということを身をもって感じることができた。

・今後の展望

 今回、私はこれから英語を学んでいくにあたって英語を使わなければならない環境に身を置くことが必要なのだと考えた。私はこれまで英語を学びたいとは思っていても、本当に英語を話さなければいけない機会にはあまり遭遇してこなかった。義務教育で何年も英語を学んできたのにも関わらず今一つ英語を身につけられていないのは普段英語を使わないことが関係しているのだと考える。というのも、ラトビアではその他のバルト三国諸国やロシア、EU加盟諸国などから人々が集まり、生活の至る所で英語が必要となることを聞いた。世界共通語である英語を身につける必要性があるのだ。ラトビアと比べると日本国内では特に英語を使わずとも十分に暮らすことができる。私はその環境に甘えていたのだと、今回の学生大使プログラムを通して気づくことができた。山形大学の中でもチューター制度や国際ラウンジの利用など英語を使える機会は多く存在する。これからは自ら英語を使える環境を作っていく、挑戦していくことを意識したい。