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内山栞里 工学部 建築・デザイン学科 2 年 

派遣先大学:ラトビア大学

派遣期間:2019/8/20~9/16 

日本語教室での活動内容

    ラトビア大学では日本語教室が月~木曜日に開講されており、月・火・水曜日の 16:30~ビギナークラス、火・水・木曜日の 18:30~アドバンスクラスという時間割であった。生徒の人数は日によってまちまちだったが、ビギナークラスが 2~6 人、アドバンスクラスが 5~10 人ほどで、生徒 1 人に対して私たち山大生が 1 人または 2、3人で日本語を教えた。日本語の教え方としては、私は小学校 1,4 年生、中学校 1 年生の国語の教科書、中学校 1 年生の英語の教科書を持って行ったので、それらをもとに授業を構成した。ビギナークラスは軽い挨拶や五十音の読み書きができるレベルで、単語や例文の意味を教えながら読み書きの練習をした。五十音順なら読むことができるが単語になると読むことができない、という生徒もいたため、ランダムにひらがなやカタカナを読んでもらう練習が非常に効果的であったと考える。ビギナークラスは英語が必要になる場面や、単語を覚えるという単調な授業にならないように気を付けなければならない場面が多く苦労したが、「とても興味深い授業だ」と言ってもらえた時はとてもやりがいを感じた。

    一方アドバンスクラスは、文を読んで理解できるが会話が苦手という人から日本人以上に日本語が流ちょうな人などさまざまだった。特に私が参加した初日は山大生のほうが少なく、レベルが違う 2 人を同時に教えることに非常に苦戦した。学びたいこともそれぞれだったので、次の日からは自分が担当する生徒のレベルや要望に合った授業の内容を考えることに多くの時間を費やした。私が意識したのは実際に日本人がよく使う言葉のニュアンスを理解してもらうということで、「~たら」「~なら」「~のうちに」などの使い方を重点的に教えた。また、生徒はみな日本語を習得したいという思いが強く、予習や復習までしてきてくれる生徒もいた。自分が教えた日本語を会話の中で使ってくれた時にはとてつもない喜びを感じた。 

日本語教室以外での交流活動

    授業後や日本語教室が休みの週末にはラトビアの学生がさまざまな場所へ連れて行ってくれた。私は今回が初めての海外だったので見るものすべてが興味深かったが、やはり有名な聖ペテロ教会から見るリガの景色は素晴らしく、一生忘れられないものとなった。さらに観光名所を訪れるのはもちろん、地元の学生ならではのレストランやバーにも連れて行ってもらった。その中でも印象に残っているのが“ALA”というバーだ。そこでは毎週水曜日の9 時からダンスが始まり、生徒に半ば強引にダンスに誘われ踊ってみると、ためらっていたことを後悔するほどとても楽しかった。ほかにもビリヤードバーや海水浴にも連れて行ってもらい、言葉が通じにくくても体を動かして同じ時間を共有することで少し彼らとの距離が縮まったような気がした。ラトビア人はシャイと聞いていたが非常にフレンドリーで親切な人も多く、陽気にダンスをしたりスーパーで見知らぬ人が洗剤をおすすめしてくれるということもあった。

    また、日本語教室以外の交流活動で語らずにいられないのは寮での生活だ。初日に部屋に  入った時にはシャワーからお湯が出なかったり二段ベッドの二段目に柵がなかったりと、   ここで一ヶ月間生きていけるのかと絶望した。しかし慣れてしまえば快適な生活で、寮の宿  泊者はみなすれ違えば気軽に挨拶をしてくれた。最初は彼らと話すことを躊躇していたが、帰国前にはロビーやキッチンでお互いの国や今日の夕飯について深く話すまでの仲になった。共同の冷蔵庫に入れておいたヨーグルトが盗まれたことも、今となってはいい思い出だ。私が特に仲良くなったのはウズベキスタンからの留学生で、毎晩遅くまでいろいろなことを話し込んだ。日本語教室の生徒との時間はもちろん、さまざまな国籍の学生と交流できる  寮生活は非常に有意義な時間だった。 

参加目標への達成度と努力した内容

    私は今回、自分と違った考え方や価値観を持つさまざまな国の人と交流し、幅広いものの見方を身に付けたいという目標のもと本プログラムに参加した。その点については、日本語教室の生徒、寮の宿泊者と積極的にコミュニケーションを取るように努力し達成できたと考える。さらに、私は日本語教室の内容にも人一倍力をいれた。平日は授業の準備で半日が終わってしまうことも多々あったが、生徒のニーズに合った授業ができたのではないだろうかと思う。 

プログラムに参加した感想

    今回の 1  か月間ラトビアで生活し日本語を教えたという経験は間違いなく自分の糧になるものであった。英語が上達したかはわからないし上手く説明することができないが、間違いなく英語で話すことへの躊躇がなくなり、外国の方とコミュニケーションをとる術を身 に付けられたような気がする。また、私は建築・デザイン学科に所属しているので、リガの旧市街の建物やアールヌーヴォーの建築を数多く見ることができ非常に勉強になった。そして、留学生からウズベキスタンで日本のお茶会や盆踊りに参加したことを聞いた時には、日本人が知らないような遠く離れた国に日本に興味を持ってくれている人がたくさんいるのだと思い嬉しくなると同時に私たちも海外へ広く視野を広げる必要があると感じた。 

今回の経験による今後の展望

   今回やはり感じたのは、自分の英語能力の低さだ。今回出会った人はみな私のつたない英語を理解しようとし、そして聞き取りやすい英語で話してくれたが、自分がもっと英語を話すことができればさらに深いコミュニケーションをとれたに違いないと感じた。次の海外渡航の予定もあるので今後一層英語の学習に力を入れたい。また、今回の経験を活かし、大学での勉強でも将来の仕事でもさまざまな国、考え方の人がいることを念頭に置き、柔軟な姿勢で努力していこうと考える。

日本語教室の様子の画像
日本語教室の様子

ラトビアのリゾート地ユールマラの画像
ラトビアのリゾート地ユールマラ

学生に連れて行ってもらったビリヤードバーの画像
学生に連れて行ってもらったビリヤードバー

リガ旧市街の画像
リガ旧市街