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柏倉瑠莉 人文社会科学部 人文社会科学科 1年

派遣先 ラトビア大学

派遣期間 2019年8月26日~9月9日 

<日本語教室での活動内容>

 日本語教室は、平日に一日2コマ、ビギナークラスとアドバンスクラスに分かれて開講された。私が到着したときには、ビギナークラスは受講生の人数よりも山大生が多くなってしまったため、山大生を二つのグループに分けて交代で授業を担当した。授業は基本的に一対一で、受講生が少ないときは日本人が二人で教えることもあった。ビギナークラスではひらがな、カタカナ、普段使える簡単な文章を教えた。アドバンスクラスの中でも、日本語をほとんど知らない人から、日本語での会話が可能な人まで、さまざまなレベルの人が授業に参加していたため、受講生の要望に応じて授業の内容を変更した。

 ひらがなを教えるときには、まず五十音表を見せ、発音の練習をした。母音と子音の組み合わせはすぐに理解してもらえた。促音を表す「っ」についての説明が少し難しかった。大体読めるようになると、書き取りの練習をし、書き順の間違いはその都度指摘した。覚えたひらがなを使って生徒の名前や「ありがとう」などの簡単な言葉を書く練習をすることで単調な授業にならないようにした。受講生はひらがなを使って曜日や簡単な文章を書く練習を自発的に行っていた。日本語の挨拶を教えてからは、授業が終わった後に覚えた日本語で挨拶をしてくれるようになったのが嬉しかった。

 アドバンスクラスで難しかったのは、慣用句を学びたいと言われた時だった。慣用句がすぐに思いつかなかったり、意味を英語で伝えて理解してもらうのが大変だったりした。また、漢字の意味を英語で伝えることも難しいと感じた。

 息抜きに、日本のじゃんけんを教えたり、逆にラトビアでのじゃんけんを教わったりすることもあった。受講生は次々に質問をしてくれて、日本語教室に来る人の向上心を実感した。10歳の子どもから、会社終わりに通ってくれている方、年配の方まで、現地の幅広い年代の方々と会話することができたことが良かった。

 <日本語教室以外での交流活動>

 日本語教室が終わると、ほとんど毎日日本語教室の生徒と夕食を食べた。教室の生徒から夕食に誘ってくれることがよくあった。日本語が話せる生徒とだけでなく、日本語が話せない生徒とも夕食をとることがあったので、授業以外でも英語で会話する機会があった。休日には、ユールマラという海やシグルダという大きな公園がある街まで連れて行ってもらった。リガ市内では普段はバスを使うので、電車を使って移動するのも新鮮だった。

 旧市街地にある軍事博物館では、ラトビアで行われていた戦争について詳しく知ることができた。ラトビアに来なければ知ることがなかったであろうことを知って、考えさせられることがあった。旧市街地の散策はラトビアならではの建築やヨーロッパの街並みを見ることができて、新鮮で楽しいものだった。

 また、寮の中でも隣室の学生と話したり、ロビーで留学生に話しかけられたりすることがあった。そこでお互いの国の言葉を教え合うこともした。

 <参加目標の達成度と努力した内容>

 学生大使での私の目標は、積極的に英語を話すことと、日本とラトビアの文化の違いを知ることだった。英語については、授業以外でも現地の人と話すことがあったが、もっと積極的に話せばよかったという心残りなところもある。現地の人の英語が理解できなかったときは聞き返したり、伝えるのが難しいときはわかりやすい例を挙げたりして努力した。文化については、二週間の生活の中で、日本との違いや似ているところを知ることができた。ラトビアについて現地の人に積極的に聞いてみるようにした。

 <プログラムに参加した感想>

 日本語教室で最も感じたことは、日本語を教えるのは難しいということだ。私は人に何かを教えるという経験があまりなかったのに加えて、英語で教えることがほとんどだったので、伝えることも困難だった。さらに、「こんにちは」、「私は」などの「は」がなぜ発音が異なるのかといった、普段意識していないことを聞かれたときにスムーズに答えることができないなど、新しい言語を教えることの難しさを感じた。また、自分の英語力ではスムーズな会話ができないと改めて感じ、もっと勉強したいと思えた。

日本語教室以外での活動で感じたことは、外国人と仲良くなるために必要なことは、英語の能力よりも、コミュニケーション力や積極性であるということだ。拙い英語でも、相手は理解しようとしてくれるし、聞き返せばもう一度わかりやすく話してくれる。重要なのは、自分から積極的に話しかけたり話を聞きに行ったりすることであると気付くことができた。今回は、自分は積極的に話すことができたと胸を張って言うことができないので、普段の生活から見直してみようと思った。

海外に行ったのはこれが初めての経験だったが、日本語が伝わらない環境や、勝手がわからない場所での生活など、日本ではできない体験ができて、このプログラムに参加してよかったと思う。現地の人との交流ももちろんだが、現地で会った学生大使の山大生と仲良くなれたこともよかった点の一つである。ラトビアへの派遣を通して、もっといろいろな国に行って世界を知りたいと感じた。

 <今回の経験による今後の展望>

 今回の経験を通して、海外や留学への関心がさらに高まった。今までは単純にヨーロッパに行ってみたいと思っていたが、アジアの国々にも興味を持つようになり、各国の歴史について学びたいと思うようになった。今後海外に行くときは現地の人と今回以上に積極的に会話をしたい。

 また、この派遣を終えて、英語や他の外国語の学習に対する意欲が高まった。より実践的な英語力をつけていきたい。

 今回の貴重な経験を今後の大学生活や将来の選択に生かしていこうと思う。

夕食後の画像
夕食後

現地学生の誕生日パーティーの画像
現地学生の誕生日パーティー