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澤田隆宏 医学部 医学科 1年

派遣先大学:ラトビア大学 

派遣期間:2019年8月8日〜8月26日 

日本語教室での活動内容

Beginners classとAdvanced classに分けて授業を行った。それぞれ週3日(月火木)行い、Beginners classは10時から、Advanced classは18時半から1時間半の授業を行った。派遣期間が他の山形大学生とずれていた為、全て1人での授業を行った。黒板で生徒を当てながら答えてもらい、考えてもらう形式をとった。Beginners classでの主な内容は平仮名、自己紹介、数詞、基本表現、カタカナ、動物の名前、趣味、家族構成、他者紹介である。全くの初心者の生徒がいた為、平仮名から教えることになった。黒板に書き順も丁寧に教えたことが好評だった。基本的に最初の授業で私が考えたカリキュラムに沿って授業を行った。最終的な目標は、「平仮名を不自由なく用いて自己紹介程度の日本語を用いられること」であったが、最終的にはカタカナも教えられたことは納得のいく内容であったことを示している。Advanced classでの主な内容は、日本の冗談について、人体の名前、音楽について、映画について、である。上級者コースは社会人が大半を占めていたことから、毎回の授業で生徒が大きく入れ替わる為、授業開始直後に上級者が学びたいことを言ってもらい、それをベースに話を広げていく方針をとった。最も好評であった授業は「冗談について」で、まず日本のお笑いの形式を複数挙げ(漫才、コント等)、その例をYouTubeで見てもらい、何を話しているかを訳しながら、面白さを説明した。次に、日本のダジャレ、ギャグ、ユーモア、プンを、例を挙げつつ説明した。次にラトビアのお笑いを日本語で説明してもらった。結論として、授業を行う上で、英語を話せることは重要であり、英語が不自由なく話せた私は、お互いに納得の行く授業を展開できたと実感している。何よりも生徒は前例通り、非常に真面目であるが、幾分かシャイな部分もあり、自主性を発揮してもらうにはこちらから質問するなど、アクションを取る必要があった。自分の言語や文化を客観視できた、良い経験となった。 

日本語教室以外での交流活動

Beginners classの生徒と共に行動した。特に1人の生徒とは終始一緒にいた。Rigaの街の散策はもちろん、Jurmalaへその生徒の家族と一緒に行ったりした。コンサートへも足繁く通い、音楽の街の良さを堪能した。特にリガ市内にあるレコードショップ巡りは楽しく、フリーマーケットでも店員さんとの交流を通じて、ラトビアについて、音楽について、深い思考に至ることができ、最高の瞬間の一つであった。また、偶然、リガ誕生祭と滞在期間がガッ乳ており、音楽や花火大会など非常に楽しむことができた。ラトビア民族博物館においては新旧のラトビアの文化の変遷を学ぶことができた。この中にはわたしが見てきた中で最も美しい教会もあり、大変面白かった。終始一緒に活動してくれた生徒が常に(レコード、リガ誕生祭、音楽、コンサートについても)ラトビアの歴史や文化を踏まえた解説をしてくれるため、大変勉強になった。総じて、大変興味深く、学びのある活動であったと言える。 

参加目標の達成度と努力した内容

参加目標は十分に満たせたと考えている。私の目標は、語学力の向上、東欧文化の理解、日本の文化の客観視であった。語学の向上については、ラトビアの第二言語が英語であったことから、地元の友人とは常に英語で会話をし、自分の英会話力を格段に向上させることができたと実感している。東欧文化の理解について、であるが、ラトビアは歴史上、スカンジナヴィアやドイツ、ロシア、旧ソ連の影響を強く受けており、それらは非常に冷酷な歴史の上で成り立っていることがもっとも印象的であった。旧ソ連の影響は特に絶大で、未だにラトビア人と旧ソビエト時代に移住してきた、国民の半数を占めるロシア人との間には心のしこりがあり、学校教育や政治においてもその歪が影を落としている。その中でもラトビアに住む人々は全体として、自国ラトビアを愛し、過去の辛い経験を経たからこその統一的な無条件の愛国心を抱いていると強く感じた。日本も現在、周辺国と同様の状況にあるように感ぜられるが、両国の平和のためにも、遠く離れた国同士で打開策を考えて行くことも解決の道に繋がるのではないか、と可能性を感じた。

努力した内容は、自分の国を客観的に受け止め、それを紹介し、共感を得てもらう、納得してもらうこと、である。また、ラトビア人は基本的にシャイであると聞いていたため、友達作りに苦労すると考えていたが、日本語学校へ来る生徒は、休みに学びにくる意欲と真面目さ、文化交流への意欲があることもあり、非常に社交的である。しかし、半数以下の生徒は非常にシャイであり、仲良くならないと話せなかったが、一旦仲良くなり、互いに心を許せば、親友に慣れた。概して、友達作りには予想と反し、努力が必要ではなかった。 

プログラムに参加した感想と今後の展望

文化交流を通じ、ラトビアのことを知るだけでなく、自国の良さを知れたことはよかった。

また、他国の人々と自己を比較することにより自分とは何かを感ぜられた気がする。いずれにせよ、海外に友人を持てたことはとても嬉しいし、またラトビアに行きたいとも思った。山形大学がこのようにして、ラトビアへ学生大使を行うことの意義は大変大きなものだと思う。わたしはお金には変えがたい貴重な経験と学びをすることができた。この学びをわたしの今後の研究者人生においても大切にしたい、と思う。

リガ博物館からの旧市街の街並みの画像
リガ博物館からの旧市街の街並み

ユルマラにての画像
ユルマラにて

ルンダーラ宮殿にての画像
ルンダーラ宮殿にて