ホーム > 国際交流・留学 > 学生大使派遣プログラムについて > R1延辺大学 > 箱石優太郎

箱石優太郎 人文社会科学部 経済・マネジメントコース 2年

延辺大学  2019年9月9日〜9月23日 

日本語教室での主な活動内容としては、実際に学生さんたちの前で教壇に立って黒板やスクリーンを用いて授業をする他、グループごとに分かれてディスカッションをしたりゲームをしたりするなどして交流を深めた。担当したのは1年生から4年生と幅が広く、学年によって日本語を勉強した期間に差があり個人によっても日本語の習得レベルに違いがあったように感じられる。大学に入って初めて日本語を勉強するという1年生に対してはあいうえおの発音や簡単な語句を教え音読すると言うような授業形態を取り、就活が始まる4年生の中には日本に留学経験があり日系企業への就職を目指している人もいると聞いたので、日本の就活についての説明やインターンシップ参加の際のお礼の手紙の解説をしたり、面接を劇形式で説明したりするなど学年によって教える内容は多岐に渡り、工夫が必要だった。2年生と3年生に対しては日本語が通じたので、パワーポイントを用いて自己紹介や日本や山形紹介、日本の物価についてクイズ形式で紹介したりなどした。時にはグループごとでお話する時間が設けられたが、そこでは自分たち日本人と彼らで生まれや国は異なっていても感じていることは同じであり、些細なことでも盛り上がることができた。その中ではやはり中国と日本の文化の違いを感じざるを得ない場面もあったが、近い距離で実際に話してみると今まで知ることのなかった世界が彼らの話の中から伝わってきた。また、日本語の授業を見学することもあった。事前の講義などでは一対一や一対複数での交流を想定していたが、実際には教壇に立ってお話することがほとんどであった。 

日本語教室以外での交流活動としては、チューターさんや仲良くなった学生と昼食や夕食に連れて行ってもらうことが多く、休みの日には公園で散歩したり朝市やショッピングモール、中韓国境などへも連れて行ってもらった。午前中の授業の際に仲良くなった学生と昼食に大学構内の食堂へ行くことが多く、夜になると何が食べたいかと尋ねてくれ、こちらがリクエストしたものや向こうのおすすめの食事などを囲んだ。食事の席では会話が弾み、お互いの日常や中国や日本について大いに盛り上がることができた。 

参加目標への達成度としては、出発前に主に3つの目標を掲げたが、その3つとも達成できたように感じる。1つ目に挙げた現地の学生さんたちに日本語について知ってもらうことという目標に関しては、日本語を知ってもらうだけではなく、日本の文化や日本人の考え方や価値観についてまで知ってもらうことができたのではないかと思うためであり、授業においても日本語を理解してもらえているなという実感があったからである。2つ目に挙げたまずはどの言語でも良いからコミュニケーションを取るという目標に関しては、学生さんたちの日本語レベルが非常に高くこちら側と会話することに何の問題も無いほどであったため、コミュニケーションを取ることは容易であり、沢山の会話ができた。また、日本語を習いたての1年生に対しては主に英語を使って授業や会話を進め、時には私の拙い中国語であっても理解してもらえることがあったため、コミュニケーションを取るという目標は充分に達成できたものと思う。最後に3つ目に挙げた主体的かつ積極的に行動するという目標に関しては、抽象的な目標だったため具体的な到達具合は分からないが、個人的には部分的に達成できたのではないかと感じている。こちらから話しかけ、質問を投げかけるなど相手と関わろうとする行動ができたと思うが、後から振り返れば「もっとああすれば良かった」などと後悔する点もあったため完全に目標を達成したとは言えないのではないかと思う。 

プログラムに参加した感想としては、私は昨年中国語を学んだために中国に興味がありそれがきっかけとなって今回のプログラムに参加するに至ったが、行く前には中国と聞くと大気汚染や反日などネガティブなイメージが先行していたが、実際に行ってみると延辺は非常に良い場所であり、偏見や勝手なイメージは正さなければならないと痛感させられた。おそらく他の国に対しても同様の偏見があると思うので、また違う国へも行ってみたいと感じた。また、中国は日本と比べてスケールが大きく、それは大学の敷地の広さや食事の量の多さなどから感じた。日本にいたままでは決してできないような経験ができたことを嬉しく思う。また、この学生大使のプログラムで中国に派遣されて持った一番の感想が延辺大学の学生の学習意欲の高さである。我々日本人は第二の言語である英語も満足にできないにも関わらず、彼らは英語ができる上に日本語まで使えるのだから驚くほかにない。その上で韓国語やロシア語までマスターしている人もいたのでその人に関しては尊敬するほどであった。どの学年の学生も日本語学習への意欲が高く驚かされ、特に一年生に関しては連絡先を交換したアプリ上で積極的に質問をしてくるなど、そのハングリーさに圧倒された。 

今回の経験による今後の展望としては、まずは自分の専攻科目や大学の講義に真剣に取り組みたい。その上、感想にも記述したが、現地の学生たちの言語習得への意識の高さ・日本語の熟練度の高さに強い刺激を受けたため、今後は自分も言語の学習に力を入れて彼ら再会した際には日本語の他に英語や中国語であってもコミュニケーションが満足に取れるレベルにまで上達したいと感じた。また、2週間の生活の中で中国語や英語で話しかけられる場面に多々遭遇したが、なかなか思うように返答出来ず悔しい思いをした。その件を含めて今後は英語と中国語を独学ではあるが学んでいきたいと感じており、山形大学の構内であっても外国人留学生と交流する機会が存在すると思うので積極的に行動したい。また、今回のことで貴重なチャンスが目の前にあるならば自分から動いていかなければならない必要性も感じたのでこれからの大学生活においても、積極性を発揮していきたいと思った。 

最後に、お世話していただいた現地の先生や学生さん、派遣をサポートしていただいた国際交流課の担当の方、共に現地で行動したメンバーに感謝致します。ありがとうございました。

日本語教室での集合写真の画像
日本語教室での集合写真

日本文化体験イベントの担当メンバーとの画像
日本文化体験イベントの担当メンバーと

仲良くなった学生さんたちと夕食の画像
仲良くなった学生さんたちと夕食