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野田脩人 人文社会科学部 地域公共政策コース  2 年

派遣先大学 延辺大学(中国)

派遣期間 令和元年 9 月 9 日(月)~令和元年 9 月 23 日(月) 

1、日本語教室での活動内容

    延辺大学の外国語学院には日本語学科があり、今回はその1年生から4年生の授業を担当した。授業形式は主に自分たちが教壇に立ってパワーポイントや黒板を使って授業するというものであった。1年生は日本語を初めて学ぶのであいうえおの発音や数字の発音を練習した。コミュニケーション方法は英語を使い、自分の英語力の向上にもつながったと思う。2.3年生はある程度日本語でのコミュニケーションが取れるということもあり、パワーポイントで、日本に関するクイズや日本語を使ったゲームをして、楽しく日本語を学ぶことができた。また、山形の観光地や日本の大学生の日常などについても紹介し、山形や自分たちのことについてもよく知ってもらえたと思う。4年生は就職を控えているということもあり、日本の就職の際のマナーについて紹介した。私は特に面接の仕方を実演した。授業を聞いてくれる学生たちは真剣なまなざしで、実演するこちら側はとても緊張したが、良い経験になったと思う。 

2、日本語教室以外での活動内容

    日本語教室以外では、チューターの方々や授業で仲良くなった学生たちと食事、町散策、観光などに行った。食事は、延吉で有名な串焼きや冷麺に加え、じゃじゃ麺、ラーメン、小籠包、餃子、焼売、サムギョプサル、焼肉、ビビンバ、しゃぶしゃぶなど様々な料理を堪能することができた。私は,延吉に行く前から本場の中華をとても楽しみにしていたが、自分の予想をはるかに超えておいしかった。町散策では、朝市やショッピングモール、映画館、延吉公園など様々な場所に連れて行ってもらった。特に、朝市で犬がそのまま売られているのが衝撃的だった。ショッピングモールや映画館は日本と似ているところが多く、日本にいるような気分になった。延吉公園では入場無料でラクダや猿など多くの動物を見ることができた。どの場所でもとても楽しい時間を過ごすことができた。観光では、天候不良で延吉で有名な山、帽子山に登ることはできなかったが、中国と北朝鮮の国境である図們に行くことができた。日本は島国なので、あまり国境というものを意識したことはなかったので、実際に見に行くことができてよかった。国境の中国側はお店がたくさんあって発展していたが、北朝鮮側は家や学校があるだけで、あまり発展しておらず、格差を感じた。 

3、参加目標への達成度と努力した内容

    私は今回このプログラムに参加するにあたって2つの目標を立てた。1つは自分と関わる学生がより日本や日本語を好きになってもらえるようにするということだ。この目標はある程度達成できたのではないかと思う。この目標を達成するために授業をする時には明るく、楽しい授業をすることを心がけて取り組んだ。現地でできた友達は「日本人は物静かな人という印象を持っていたが、とても明るくて面白い人たちだ!」といってくれたのはとてもうれしかった。また、授業以外でも中国で使われているコミュニケーションアプリ「WeChat」を使って現地の学生と積極的にコミュニケーションをとるように努めた。学生たちは、日本のマナーや文化、日本語の発音について積極的に質問してくれて、自分が考えたこともないような質問もあり、自分の成長にもつながったと思う。もう1つの目標は日本語以外の言語で現地学生と積極的に交流することだ。この目標はあまり達成できなかった。私は昨年韓国語を履修しており、朝鮮自治州にある延辺大学はハングルも多く使われてい るので、自分の力がどれくらい通用するか試してみようとしたが、どうしても日本語に頼ってしまう場面が多かった。また、英語での会話も聞き取りがうまくできず、もどかしい思いをした。それでも、はじめて触れる中国語は覚えた単語をすぐに使うことで、覚えようとし、会話の内容はわからなくても、一生懸命聞き取りをすることを心がけた。2 週間の経験を通して、行く前より、語学力は向上したと思うのでもっと成長できるようにこれからも勉強を頑張りたい。 

4.プログラムに参加した感想

    私がこのプログラムに参加するきっかけとなったのは 1 年生のときに参加した国際交流サークル「IF」のスポーツ大会で山形大学に留学に来ていた学生と交流したことである。留学生たちは母国語に加え、日本語も日本人のように流暢に話していて、とても驚かされた。そのうちの特に仲良くなった 1 人の留学生が延辺大学の学生で、延辺はとてもいいところだと聞き、行くことを決心した。実際延辺大学に行ってみて、自分たちがいかに中国に対して先入観を持っていたかが分かった。中国はとても発展していて、キャッシュレスがとても浸透していた。現地学生に話を聞くと、キャッシュレス化の動きは 5 年ほど前から始まったらしく、今では現金で買い物をできる場所はほとんどないとのことだ。日本はまだまだキャッシュレスへの動きは始まったばかりで、現金で買い物をすることが多いので、日本に留学経験のある学生は小銭で頭を悩ませていたと聞いた。また、大学は日本の大学とはくらべものにならないほど大きく、大学にないものはないというほどなんでもそろっていた。今回の全体の経験を通して、言葉が通じて、何不自由なく生活できる幸せを改めて感じることができたし、延辺大学を勧めてくれた子にとても感謝したいと思う。

 5、今回の経験による今後の展望

    私は今回の経験を通して、外国語を勉強するのに加えて、もう一度日本という国を見つめなおしてみたいと思う。実際、現地で学生から日本について質問を受けても即答できない自分が悔しかったし、自分より詳しい学生もたくさんいた。さらに自分が成長するためには足元を見つめなおす意味も込めて、日本について学びたいと思う。もう一つは、留学生との交流を積極的に図ることだ。今回延辺大学に行くきっかけとなったのは留学生との交流であったし、もっと多くの国の学生と交流することで、刺激を受け、多くの学びが得られると思う。最後に、今回のプログラムを企画してくださった国際交流課をはじめとする山形大学の関係者の皆様、現地でお世話になった先生方と学生たち、快く送り出してくれた家族に感謝したいと思う。

中朝国境の図們の画像
中朝国境の図們

面接法の実演の画像
面接法の実演

延辺の街並みの画像
延辺の街並み

宿泊した留学生寮の部屋の画像
宿泊した留学生寮の部屋