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平子舞夏 地域教育文化学部 地域教育文化学科 1

派遣先大学:新モンゴル学園
派遣期間:2023年2月27日~2023年3月13日

1 日本語教室での活動内容
 今回は主に、新モンゴル学園で行われる日本語の授業に参加した。その中で行った活動は大きく分けて2つある。
 1つ目の活動は、12年生の授業で行われた「ディスカッション大会」のお手伝いや審査員をしたことだ。1つのテーマについて討論するために、自分の意見を日本語に直すお手伝いをしたり、テーマについて一緒に考えたりした。学生たちは、「こういう意見を言いたいのだけど、これを上手にまとめる日本語の表現はないか」と積極的に相談をしてくれた。自分の状況を日本語で私に説明してくれたり、討論では自分の意見を順序立てて日本語で説明したりしていて、彼らの日本語力の高さに驚いた。
 2つ目の活動は、10年生の授業の時間をお借りして「日本の四季」というテーマで授業を行ったことだ。日本の四季を感じる景色やお祭りの写真を見ながら、目を輝かせて授業を聞いてくれている姿がとても印象的だった。また授業の後半には、折り紙で桜を作り、出来上がった桜にみんなの「将来の夢」を書いてもらって、みんなの夢がつまった一本の桜の木を作成した。
 初めて日本人に会ったという学生がほとんどだったが、積極的に話しかけてくれ、学生たちが主体的に、そして意欲的に日本語を勉強していることを感じられた。

2 日本語教室以外での交流活動
 授業がない時間は、高専の学生や新モンゴル学園の卒業生たちと市内を散策し、お寺や博物館を訪れた。そこにあった展示物のほとんどはモンゴル語で説明が添えられていた。モンゴル語が全く分からない私に、学生たちは一生懸命日本語で展示物について説明してくれた。その姿から彼らの勤勉さや優しさを感じることができた。
 また、モンゴル滞在の二週間はホームステイをした。ホストファミリーは、さまざまな観光地や田舎に連れて行ってくれた。滞在中の3月8日には「国際女性デー」という祝日があった。その祝日の前日には、ホストファミリーの子どもたちと一緒に折り紙で花を作って、ホストマザーにプレゼントした。当日には、ホストファザーとホストブラザーがサプライズで一輪のバラをプレゼントしてくれた。日本では「母の日」や「父の日」といった日が祝日にはならない。しかし、モンゴルの「国際女性デー」は祝日なので、家族で一日をゆっくり過ごすことができる。ホストファミリーとその祝日を過ごしたことで、愛で溢れたモンゴルの素晴らしい文化を経験することができた。

3 参加目標への達成度と努力した内容
 私の参加目標は、「実際に学生に授業を行って教員を擬似体験することで、将来に活かすこと」と「使用言語が違う相手と英語やジェスチャーを活用して積極的にコミュニケーションをとること」を目標としていた。
 一つ目については、実際に10年生の4クラスを対象に授業を行ったことで、先生という視点からクラスをみることができ、教員を擬似体験することができた。クラスによって、反応の仕方や雰囲気が全く違うため、その反応に合わせて質問を投げかけながら生徒たちと一緒に授業を作りあげた。授業を重ねるごとに説明するときの言葉選びを変えてみて、より生徒に伝わりやすいように試行錯誤した。また、新モンゴル学園の先生にお願いして、モンゴルの公立学校の見学にも行くことができた。モンゴルの教育現場を見て、日本の教育と相違点を発見することで、日本の教育を考えるきっかけとなり、モンゴルの教育から自分がやりたい教育活動のヒントを得ることができたように感じる。
 二つ目の積極的なコミュニケーションについても、さまざまな学生やホストファミリーとの交流を通して達成することができたように思う。しかし、自分の英語力がないことを痛感した。まだ日本語を勉強し始めたばかりの学生は英語を使って話しかけてくれたが、それに対して私が十分な答えを返すことができなかった。日本について説明するときや、日常会話を行うときにもっと英語で伝える力があれば、より深い知識や情報を交換することができたのではないかと感じる。新モンゴル学園の生徒は、英語に加えて日本語も勉強している。日本語しか話すことができない私の未熟さを痛感し、言語学習の意欲を高めるいい刺激になった。

4 プログラムに参加した感想
 私のモンゴルに対する最初のイメージは、教科書で見ていた「ゲル」や「草原」であった。しかし、現在では「自由で、人と人のつながりや自国の伝統を大切にする、あたたかいモンゴル人」「車がたくさん走っているウランバートル市」「ヒツジや牛の肉やミルクを使ったおいしいごはん」など、ここでは伝えきれないほどモンゴルについて知ることができ、モンゴルのイメージが180度変わった。新モンゴル学園のたくさんの学生や先生方、ホストファミリーと二週間を一緒に過ごすことができたからこそ、教科書やインターネットからでは知りえないモンゴルを体験することができたと強く感じる。実際に自分の目で見て文化の違いを感じることができ、毎日が新鮮でとても充実した二週間を過ごすことができた。

5 今回の経験を踏まえた今後の展望
 今回、日本語を教えるという活動を通して教員を疑似体験したり、外国の教育現場を見たりしたことで、将来に活かすことができるヒントをたくさん得ることができた。自分の未知の世界へ足を踏み入れ、海外の文化にふれたことで、また違った視点から物事について考える機会が増え、将来の選択肢がさらに増えたように感じる。これらの経験を活かして今後の大学での学習をより深めていきたい。
 また、活動中に感じた英語力の未熟さを解消するために今後はより一層言語学習に力をいれていきたい。そしてまた、新たな文化について知るために挑戦していきたい。

10年生と作成した桜の木の画像
10年生と作成した桜の木

授業を行ったときの様子の画像
授業を行ったときの様子