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今野真理子 人文学部 法経政策学科 4年

派遣期間:平成30年9月3日~9月24日(22日間)

日本語教室での活動内容
 まず、新モンゴル学園には小中高一貫校と高専、工科大学の3つの学校がある。その中でも私は新モンゴル高専の日本語の授業の中で生徒に日本語を教えてきた。高専の生徒は15歳~18歳の生徒で男子が多い。私が先生のサポート役として授業に入る形だった。9月から新学期が始まったばかりで、一年生はひらがなで書き方や発音、二年生は漢字と会話、三年生は会話の授業に参加した。2・3年生になるとかなり日本語を話せる生徒が多く、コミュニケーションにはそれほど困らないが、一年生は英語でのコミュニケーションが多かった。授業後は生徒の宿題のチェックなどを行った。基本的には先生の授業に一緒に入る形式だったので、生徒に顔を覚えてもらうためにもほとんどの授業に参加した。そのおかげか、初めは挨拶もなかなかしてくれなかった生徒が、だんだんと挨拶を返してくれるようになった。
 また、毎週火曜日にあるHRで私が得意な書道という文化についてクラスで紹介した。日本での授業の様子を紹介し、実際に書いて見せる時間と生徒に書いてもらう時間を取った。みんな興味を持ってくれて積極的に体験をしてくれたことが嬉しかった。
 他に、別科クラスという日本の大学に行くための勉強をするクラスがあった。別科クラスの生徒は皆日本語が上手だった。そのクラスでは、志望理由書の添削や面接のアドバイスを主に行った。なぜその分野を選んだのか、なぜ日本で勉強したいのか、モンゴルでその分野はどうなっているのかなどを生徒と共に考えて志望理由書を作成したが、それらについて一緒に考える時間は私にとっても視野を広め、考えを深める時間になった。帰国後に、一緒に志望理由書を書いていた生徒が志望大学の学内試験に合格したことはほんとうにうれしかった。

日本語教室以外での交流活動
 お昼休みと放課後の時間に私自身のことや日本のことについて自由に話すことで日本に親しみを持ってほしいと考え、廊下で個人的に日本語教室を開いた。男子生徒が多くシャイな生徒だったので初日は誰も来ず、教室に行って宣伝をして回った。廊下ですれ違った際は積極的に挨拶をして、授業にもたくさん出たからか、だんだんと話しかけてくれる生徒が増えて教室にも来てくれるようになった。その際は私の大学の話や好きなアニメなど日本の話をたくさんした。日本から持っていったお菓子などで文化を伝えたりした。
 学校外での交流活動としては、お昼ご飯を一緒に食べたり、放課後に街へ連れて行ってくれたりした。モンゴルではバスケットボールがとても人気で街のいたるところにバスケのコートがあった。モンゴルでは知らない人でもコートで会えば一緒にバスケをするのが普通で、友達とたくさんの人とバスケをした。
 学校までの送迎は基本的にホストファミリーの車だったので、放課後生徒と遊ぶ時間が限られており、誘いを断らなければならないこともあったことは少し残念に感じた。

参加目標への達成度と努力した内容
 PDCAを意識するという目標に対しては80%達成できた。毎日の活動内容と振り返りを行い、毎日時間や活動場所など何かしらの変更を重ねた。前半は参加する授業も少なかったので、しっかり一日の予定を組んでPDCAを行うことができた。しかし、後半になって授業が増えたことで、生徒とコミュニケーションを取る機会が増えたことでお昼ご飯に誘われたり、頼みごとが増えるようになり、なかなか自分の考えていた活動をすることができないこともあった。海外ではよくあることだが、その日ごとに予定が変わるのでその変更に対応しながら自分のPDCAを実行するのは大変だった。先生や生徒から頼まれた活動と自分の日本語教室の活動、生徒からの誘いなどに優先順位を付けながらその都度対応できたことに関しては、適応能力が向上したと感じた。しかし、落ち着いて振り返ると3年生とはあまり接する機会を取らないまま終わってしまったなど、さらに改善するところがあったり、不足していたところもある。その場に追われてしまい、冷静に考えることができなかった点はこれから伸ばしていきたい力だ。

プロクラムに参加した感想
 プログラム三回目ということもあって、モンゴルの生活に慣れるのに必要な時間も今までより短くなり、毎日に余裕を持って生活できるようになったことが大きな成長だと感じている。今回の目標はPDCAをしっかり行うということだったので、毎日の活動内容と反省を毎日行うことで、授業の改善と残りの日数でできることは何か?を考える習慣がついていたように思う。
 また、今までの私はしっかり計画を立ててからでなければ行動しない性格だったため、初動が遅くなってしまうことが多々あった。しかし、今回の個人での日本語教室は生徒がなかなか来てくれないだろうと予想される状況だったため、(シャイな性格に加えて、授業が終わるとすぐに帰宅する生徒が多い)とりあえず毎日廊下にいて、教室を行っていることを知ってもらうことから始めよう、と早くから行動に移すことができた。案の定、初日は誰も来なかったがそれを続けること、また時間帯などを日々模索しながら行ったおかげでPDCAを実感しながら活動を行うことができた。その日に失敗しても次の策を考えて行動できるメンタルがあることも感じることができ、今後社会人になるうえで自信になった。
 モンゴル派遣の他国と大きく異なるところはホームステイであるところだと思う。私も初めての経験だったので、これまでのプログラムとは違う不安もあった。しかし、ホームステイだからこそその国の文化や現在の生活を一番近くで感じることができたと思う。ファミリーに連れて行ってもらった田舎で見たモンゴルの景色はほんとうに絶景で、日本では決して見ることはできない景色を見ることができたのもとても良い経験だったと思う。

今回の経験による今後の展望
 PDCAを意識して生活したこの3週間で、自分にその意識はついたと思っている。今後社会人になるうえで、自分の行動と反省、そこから何を改善するのかという姿勢は一番大切になってくることだと思う。このプログラムを通して、自分にできる活動を行う行動力、計画力、また様々な年代の人と関わるコミュニケーション力、様々な力を伸ばし、自分への自信をつけることができたという点ではよかったと思う。だが、やはり自分の語学力はまだまだで、知らない知識もたくさんあることを先生方や生徒と交流して実感した。それと同時に自由な大学生としての時間はあと少ししかないということも自覚した。社会人になる前に多くの知識を付けること、多くの人と出会って視野を広げることは今しかできない。本を読むこと、留学生と交流すること、様々なコミュニティと関わることはすぐにでもできる行動であるから、学生としての時間が少ないことを常に意識して無駄のない自分を成長できる時間にしたい。
 モンゴル派遣はまだ始まったばかりでレポートも少なく、ホームステイであるので不安が大きい学生が多いと思う。しかし、自主性が求められる新モンゴル学園でのプログラムで学べることはとても多かった。そのことをたくさんの学生に知ってもらい今後モンゴルへの派遣が増えるよう、私にできる広報活動があれば協力させてほしいと思います。

学食の画像
学食

授業:習字の画像
授業:習字

日本語教室の画像
日本語教室

妹と伝統のおもちゃで遊ぶ様子の画像
妹と伝統のおもちゃで遊ぶ様子

田舎での写真の画像
田舎での写真