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羽角秀太 医学部 医学科 1年

派遣期間:平成30年9月3日~9月18日

日本語教室での活動内容
 まず、日本語クラブの運営に携わった。学園の生徒だけでなく大学の教授にも日本語を教えた。活動内容は基本的な単語を板書しそれを発音させ意味を教えていくというものだった。加えて似たような言葉の使い分け(自動車、車の違いなど)も教えたりした。自分の言った日本語をクラブ長の方がモンゴル語に翻訳して教えるという形になることもあり、クラブ長の方に頼りがちになってしまい自分の発言が少なくなってしまったと思う。日本語クラブの参加者やクラブ長の予定の変更により当初の計画より活動が少なくなってしまった。モンゴルでは日本ほど予定通りに行動することに厳しくないようで、直前に予定の変更を知らされることもあった。予定の変更によって空いた時間を有効活用するような臨機応変な行動を求められたがうまく対処できなかった。日本では予定がすぐに変わるということがあまりないが臨機応変な態度が必要とされる機会はあると思うので、どんな時でも何か行動できるようになりたい。
 次に別科の授業に参加した。別科は日本への留学を目指すクラスである。授業内容は日本の高等学校の授業と同じようなものだったが、どの授業でも生徒が自発的に発言して授業が進んでいく所が日本と異なるという印象を受けた。生徒からの物理・化学・数学等の質問に答えることもあった。また、別科生の大学受験の志望理由書の添削も行なった。帰国後も志望理由書の添削を生徒からSNSを通して頼まれることがあった。こうして自分が力になれることは嬉しく感じる。最終日には日本の生活に関するプレゼンテーションを行った。出身高校である山形南高校や山形大学の紹介、医学部での勉強などについて説明した。生徒全員が真剣に話を聞いてくれ自分が投げかけた質問にも積極的に答えてくれた。また、プレゼンの中には医学関連の選択問題を取り入れた。少しヒントを与えるとみんな正しい答えをくれたので、別科生の優秀さを感じられた。プレゼンを通して、別科生の勉強の意欲を刺激することができたと思う。
 最後にロボコンの授業に参加した。ロボコンとはロボットを作って競技を行うコンテストである。例えば、決められたコースをどのロボットが最も速くゴールできるかを競うものなどがある。自分は工学を専攻しているわけではなかったが、講義は高校の物理の知識で理解できる部分も多かった。自分が滞在しているときは実際の製作現場に参加することはできなかったが、授業にきている生徒と話をするのは楽しかった。ロボコンの本番が始まったらインターネットを通して奮闘ぶりを見たいと思う。

 日本語教室以外での活動内容
 新モンゴル高専の数学の先生のお宅にホームステイをさせていただいた。基本的に英語でコミュニケーションをとっていた。毎日美味しいご飯を作ってくれ、大丈夫かと心配してくれたので、不自由なく快適に過ごすことができた。ホームステイ先の家族に日本語を教えたり紙風船などで遊んだりして楽しく過ごしながらも日本の文化を伝えることができた。休日にはスフバートル広場や博物館を訪れ、乗馬を体験させていただいた。また、新モンゴル学園の大学生がザイサントルゴイという所に連れて行ってくれた。そこからはモンゴル市内を一望できた。他にも別科生の方が私をビリヤードに誘ってくれお土産を買うのを手伝ってもらえた。ただ、観光旅行するだけでは得られない経験ができた。これらのことを通してモンゴルの文化を深く知ることができたと思う。

 参加目標への達成度と努力した内容
 自分の考えをはっきり伝えられるようになるのが目標だった。自分から生徒たちに話しかけるように心がけたが、一部の人にしか関わりが持てなかった。生徒たちのために何かをしたいとは思うのだが、これをしようと呼びかけることはあまりできなかった。モンゴルの生活に慣れるのに時間がかかってしまったが、最終日に行ったプレゼンでは自分が紹介したい日本の良さを伝えることができたと思う。

 プログラムに参加した感想
 モンゴルという国が自分のイメージと異なるところを多く持つことに驚いた。モンゴルを訪れるまでは草原が広がっているイメージがあったのだが、自分が思っていた以上に都市化が進んでいた。しかし、都市全体に毎日渋滞が発生している、火力発電などによる排気ガスが社会問題になっているなど都市化による問題も多く抱えていた。これらの問題を解決したいという意志を持って日本への留学を目指すという生徒もいて、自分も頑張ろうと勉強に対するモチベーションが上がった。国内の社会問題を解決できれば、モンゴルは日本以上の経済大国になる可能性も秘めていると思う。これからの社会を支える若い人たちを私は応援したい。
 日本ではモンゴルと言われると相撲などを連想すると思うが、モンゴルで日本というとアニメや車、邦楽など様々なことを連想するほど興味津々である。日本を訪れたい人は多いことを感じた。このことに関して私たちは日本を誇りに思っていいと思う。これからも多くの人々が海外から日本を訪れる。彼らと仕事などで関わる機会も多くなると思う。自分の場合は日本語を話せない外国人を診療するということも将来あるかもしれない。その時に、うまくコミュニケーションを取るためにも母国の良さを伝えられるようにすることが重要だと感じた。また、日本人とモンゴル人の気質は大きく異なることも痛感した。それに戸惑い、苛立ちを覚えることさえあった。文化の違いを受け入れるのは難しくなりうることがわかった。これを覚えておくだけでも、外国人とのトラブルは減らせると思う。

 今回の経験による今後の展望
 自分の考えを伝えられるようになりたいとより強く思った。医師として働くとしても、ただ患者の病気を治療するだけでなく、そもそも病気にならないように健康的な食事、生活を呼びかけることが必要になってくると思う。ではどうすればみんながより健康になれるのか、大学で学んだこと、そこから自分が考えたことを多くの人に伝えられるようになりたい。