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ガジャマダ大学駐在記7(1)

  山大生を「学生大使」として送っている本学の海外拠点校には,それぞれ,学生の受入れに関わる現地調整を担う教職員がいる.今回は,山形大学インドネシア海外拠点(ガジャマダ大学)でその役割を担う,同大学農学部教授の通称イピ先生(正式:Prof. Dr. Ir. Achmadi Priyatmojo, M.Sc,専門は作物防疫学)を紹介したい.

  イピ先生は,ジャワ島北部のスマラン市出身.1989年にガジャマダ大学を卒業後,1997年から2002年にかけて岐阜大学に留学し,博士号を取得している.帰国後は母校に職を得て,40代半ばというインドネシアでは異例の早さで教授に就任.大学での研究と教育に加え,ガジャマダ大学の国際交流部門,同窓会組織,職員組織,自身の所属学会など多様な場面で要職を担い,多忙な日々を送っている.本学の「学生大使」受け入れに関わる業務についても自ら連絡窓口役を担い,きめ細かい対応を重ねている.ちなみに,「学生大使」の世話役の仕事は全てボランティアである.

  そのイピ先生に,本学との交流の意義と今後の方向性について伺った.

  まず意義として,「学生大使」の受入れを通じて,ガジャマダ大学の学生が日本の学生と対話を深めることにより,日本の文化,言語,習慣など親しめることを指摘された.その経験を通じて,日本留学を志すガジャマダ大学の学生は,日本に渡った後に大きなカルチャーショックを経ずに研究生活に入って行けるのだという.

関連し,一度インドネシアに「学生大使」として派遣された山大生が,最近,再度のインドネシア派遣を希望したり,個人旅行を組むなどして,ガジャマダ大学を再訪していることを非常に嬉しく感じるという.実際,インドネシアに派遣された「学生大使」経験者は,「リピーター」となるケースが増えている.このことは,他の本学海外拠点ではあまり見られない現象である.このことは,イピ先生などのご尽力により,ガジャマダ大学において山大生がいかに有意義な経験を積んでいるかの現れである.また,イピ先生のコメントからは,自ら,インドネシアにおける山大生の個々の活動を見守ってくださっていることが窺われた.

  今後の本学との交流については,共同研究をより盛んにしたいという.本学農学部の先例もあるので,その例に続く事例を期待されていた.また,ガジャマダ大学生の日本への留学先については,日本のそれぞれの大学の研究面の特性に応じて学生に紹介していくという.

さらに,「学生大使」に加えて,ガジャマダ大学の新入生とインドネシア国外の学生が交流しながら,2週間から2ヶ月間のフィールドワークをインドネシアの地方で体験するプログラムを組んでいるので,興味のある山大生に参加して欲しいという.

これまで,国際文化交流,日本産品の輸出,インバウンド観光誘客そして大学間交流に携わる中で,多くの外国人と関わってきた.思えば,難しい仕事が前進する時には,常に仕事の範疇を越えた信頼を抱き合い,自分も日本側カウンターパートとして相手の誠意に応えたいと思わせてくださる人物が現地にいた.この点,イピ先生は,他の本学海外拠点の関係者と同様,大学間交流のモチベーションを高めてくださる存在であり,その仕事に取り組む姿勢は自分の目標でもある.

イピ先生の画像
イピ先生

イピ先生が所属するガジャマダ大学農学部本部の画像
イピ先生が所属するガジャマダ大学農学部本部