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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記(8)」

 9月6日に帰国しました。ガジャマダ大学の最後の日々は、他の国々と同様に、山形大学提供日本語クラスの学生達が誘い合って宿舎にやって来て、別れを惜しんでくれました。妻にしがみついて泣き出す女子学生もいました。9月7日から、チンタさんの週2回の日本語クラスも始まりました。7日は、日本人の留学生も参加して、4時間以上も続いたそうです。相互の連絡用に専属のフェイスブックを立ち上げましたが、ガジャマダ大学の学生だけではなく、山大の元チューターや、ハノイ農業大学、ジョモケニヤッタ農工大学、カトリカ大学の日本語クラスの学生や、8月に山形に集まった、各国の短期留学生達の書き込みも始まっています。しかも、多くは日本語です。

 9月から、今年度の山大生による日本語チューターの派遣プログラムが始まりました。昨年度は31人のチューターが出かけたハノイ農業大学は、山大への留学話が進行しているテゥング君が週2回の日本語勉強会を開いてクラスを維持しています。そのため、山大チューターの到着とともに150人もの学生が登録したそうです。しかし、9月の派遣チューターは2人で、なかなか大変です。

 ケニアのジョモケニヤッタ農工大学には5人のチューターが出かけて行きました。昨年、初めてジョモケニヤッタ農工大学に滞在したときに、「この大学は数多くの日本の大学の援助で建てられたのですよ」と説明され、関与した大学名を挙げられたのですが、「山形大学は聞いたことがないですね」と言われ、寂しい思いをしました。そのジョモケニヤッタ農工大学のキャンパスに、現在5人の山大生が闊歩し、彼ら彼女らを中心に、日本語クラスが開かれています。その情景を想像すると、心嬉しくなってきます。

 ガジャマダ大学では、沢山の日本の大学関係者・学生に会いました。秋田大、茨城大、京大、静大、久留米医大、愛知県大、中大。すべてが路上や食堂での偶然の出会いですが、他にも、幾つかの大学が来ていると言う話を聞きました。専門の日本語教師を1か月間派遣して、週日の午前に、無料の日本語クラスを開設している大学もありました。ガジャマダ大学の学生達に大学名を知ってもらい、留学希望者の母集団を増やそうと言う、将来への投資だそうです。教師の帰国後に、学生をチューターとして派遣する計画はないそうですが、日本語教師志望の学生5人を、日本語学科に1週間、教育実習に送るそうです。

 私の妻による山形大学提供の日本語クラスは、自費渡航の妻自身による純然たるボランティア活動ですが、帰国時には、どの大学でも、親しくなった人々から、「先生よりも奥さんの影響力の方が大きいですね」と言われます。いわんや、山大生のチューターによる影響力は絶大です。サテライト・オフィスのある大学の学生達の脳裏に山形大学の名は深く刻み込まれ、憧れの海外留学先になっています。

 トルコで、日本人の2人の女子学生が襲われたというニュースが流れています。どんなに安全だと言われる国でも、時間と場所によっては、危険が隣り合わせにあります。昨年度の山大チューター達のその後の行動圏は、世界の隅々まで驚くほど広がっています。私もまさかと思われる所で強盗にあいました。慣れによる油断はくれぐれも禁物です。

ガジャマダ大学本部の画像
ガジャマダ大学本部

中:日本語クラスを引き受けたChintaさん
右:お世話になったIpi先生 左:8月に山形に来たJatuさんの画像
中:日本語クラスを引き受けたChintaさん
右:お世話になったIpi先生 左:8月に山形に来たJatuさん