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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記2(9)」

 7月4日は、ラマダンの断食期間中で、サテライト・オフィス周辺の食堂がすべて閉鎖されていました。昼になり、さて、どうしたものかと思い悩む間もなく、午後から学術講演会をする、と約束していた生物学部が、早々に公用車を回して迎えに来ました。このところ、毎日断食に付き合う羽目になっています。

 午後3時過ぎに生物学部から戻ると、4時から農学部大講堂で「日本語クラス」の学習発表会と私達への送別会がありました。断食は、午前4時頃から始まり、午後5時半ごろに終わります。モスクから終わりの合図が流れると、この学習発表会でも、体力回復のために飲む、甘いスープが振る舞われました。そして、会は午後7時半まで続きました。

 この会全体の総監督は、昨年、蔵王山寮のサマープログラムに参加した農学部のジャトゥーさんで、メイン・イベントの日本語劇「インドネシアのシンデレラ」の監督は、工学部のギラン君でした。脚本はギラン君と王子役をした工学部のクレスナ君の共同執筆で、演出は、近くのイスラム系私立大学から日本語クラスに、ほぼ毎日通ってきた、インタンさんが行いました。主役のシンデレラは、農学部のブニンさんで、彼女は、昨年の高校生日本語スピーチ・コンテストのインドネシア代表として、日本に行ったそうです。

 ギラン君とクレスナ君は、昨年から始まった山形大学の日本語クラスで日本語学習を始めました。現在、日本語アニメの日本語のセリフを英訳して、インターネットのその筋の同好会に投稿する遊びに凝っています。今回の脚本は、明らかに日本語アニメのセリフの影響を受けていて、コミカルに、軽妙なテンポで書かれていました。また、意地悪なお母さん役のディタさん、お姉さん役のフィットリーさん、魔法を使う妖精のミミズ姫のアリ君、などは、はまり役としか言いようのない好演でした。宮中の晩餐会では、スマトラ島西北端のアチェのサマンダンスが8人の踊り子により披露されました。

 次の演目は花笠踊りで、花笠音頭の曲とともに、舞台の左右から、花笠を持った8人の踊り子が現れ、「やっしょう、まかしょ」と掛け声を掛けて踊りました。振り付けたジャトゥーさんの頭には、山形大学と書かれた鉢巻が締めてありました。

 花笠踊りが終わると、8人の踊り子たちを背後に交えて、日本語クラス最上級の、農学部のフィルマン君、アリ君、ディタさん、ジャトゥーさんが現れ、AKB48の「会いたかった」を熱演しました。その後は、五輪真弓の「心の友」をアレンジして、私たちに感謝の気持ちを伝え、あるいは、会場の全員で日本語のアニメソングをテンポよく歌い続けました。

 この日は、学年末試験の最終日で、シンデレラ役のブニンさんは、昼まで試験がありました。セリフ練習は、皆でインターネットのチャットで行ったそうです。この日、クラスに40%以上出席した37人の学生に(毎日クラスは2回あったので、1回以上参加した日数)、農学部長のJamhari教授と私の署名の入った出席証明書を発行しました。証明書の作成や会場設営、サマンダンスや花笠踊りにも参加した、日本語クラスのクラス・リーダー、農学部のロサさんが、サテライト・オフィス近くの廊下で勉強に打ち込んでいる姿を何度も見かけました。彼女は、7月7日からは、2か月間の地方体験学習に出かけます。

日本語クラス学習発表会の画像
日本語クラス学習発表会

花笠踊りの画像
花笠踊り