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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記3(1)」

 2015年4月27日~6月26日までの予定で、ジョクジャカルタにある、ガジャマダ大学に駐在しています。双方向性のある交流を目指して、これが3度、3年目の駐在です。

 この1年間で山形大学からガジャマダ大学を訪問したのは、私の知る限り、講演会に来られた工学部の伊藤浩史先生。半年間の留学の農学部と地域教育文化学部の2人の学生。さらに、日本語クラスのチューターとして滞在した12人の学生と1人の職員がいます。

 一方、ガジャマダ大学から山形大学へは、現在、農学部に、学部8人、修士2人、博士3人が留学中です。さらに、6人の農学系と1人の社会学部の学生が半年間の留学に来て、夏のサマー・プログラムに、農学部と工学部の2人の学生が参加しています。また、この5月には、ガジャマダ大学医学部の代表6人が、山形大学医学部を訪問する予定です。

 私の今年の宿舎は、昨年と同じ若手講師用の4軒長屋で、部屋数4室に、玄関トイレを別とする使用人部屋2室、ガレージ兼物置があり、表と裏に庭もあります。こう書けば豪華そうですが、廃屋同然で、庇の天井にはマンホール大の穴が、表に2つ、裏に4つあります。日本語クラスの学生が、壁のペンキの塗り替え等をしてくれたので、住む気になりました。

 昨年、この陋屋を訪れた日本の大学の先生が、地元の学生に、「あんな所に住まわせるのは、大変に失礼だ」と言ったそうで、今年は、日本語クラスの学生や御父兄が手分けして住居を探し、5軒の家をリストアップしてきました。どれもが年間契約で、結局は、月割りにしてくれる、この懐かしい宿舎に収まりました。と言っても、割高の外国人料金です。

 宿舎探しで苦労するのは、私が犬を同行しているからです。モスレムの教えでは、犬は悪魔の使いです。人は死ぬと、生前の善行と悪行がカウントされ、善行が優れば天国に、悪行が優れば地獄に行くそうです。その時に、犬の入ったことのある部屋で行った善行は、無効になるそうです。私の宿舎は、前住者がキリスト教徒で、犬を飼っていたそうです。

 住居探しよりも難しいのは、犬の入国です。多くの国では、日本の動物検疫所の輸出許可書があれば、ノーチェック、無料で入国させてくれます。例外がインドネシアでした。

 初年度は、入国手続きが皆目分からず、インドネシア専門の旅行社に相談しました。入国3週間前までに、ジャカルタの動物検疫所に、滞在先自治体発行の犬の受け入れ許可書を含む書類を提出し、輸入許可書を取っておく必要がありました。書類は私が揃え、現地での手続きを旅行社に委託しました。原則、動物検疫所での2週間の係留が必要でしたが、1泊で済みました。しかし、手数料を段階的に4回に分けて請求され、27万円支払いました。

 昨年は、ボゴール農科大学の友人に依頼し、検疫料は約1万円、係留期間も2泊で済みました。しかし、片道80キロ以上の道程の動物検疫所や農業省に4度も行ってくれたそうです。ジャカルタ空港到着時には、検疫所の空港分室に呼ばれ、訳のわからない時間が過ぎて行きました。到着ロビーで待つ友人に連絡が取れ、通関できたのは4時間後でした。

 今年は、ガジャマダ大学卒の農業省の役人に頼み、空港手荷物引渡所で出迎えてもらい、何事もなく通関できました。検疫料と係留期間は昨年と同じで、ジャカルタからジョクジャカルタまでの犬との移動は、唯一の手段のレンタカーで14時間15分かかりました。

宿舎の表側の塀を歩く鶏の画像
宿舎の表側の塀を歩く鶏

宿舎の裏側の庇の天井の画像
宿舎の裏側の庇の天井