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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記3(2)」

 5月4日から日本語クラスを始めました。月~金までの日に2回で、駐在校の学生達との持続的な交流の、効果的な方法です。モットーは「誰でも、何時でも、何度でも」で、各クラスに20数人が参加しています。そのうちの数人は、この2~3年間、クラスに入り浸りの学生で、驚くべき上達を示しています。今年は、今までと異なる点が2つあります。

 第1点は、会場は農学部ですが、参加者の所属学部が広がったことと、ガジャマダ大生だけではなく、他大学の学生が5人以上、高校生が4人、中学生が1人、参加しています。

 第2点は、毎日、上級クラスと初級クラスを、時間を入れ替えて、別々に1回開いていますが、初級クラスには上級者も参加して、初級者をグループ分けして指導してくれていることです。教えることが、学ぶ上で効果的であることを、知ったようです。

 したがって、日本語クラスの学生達は、大学、学部、年齢を超えて、クラスの内外で、和気あいあいとした交流をしています。大きな山形大学サロンができています。

 5月9日には、日本基金が主催した、日本語弁論大会中部ジャワ大会が、ガジャマダ大学人文学部でありました。山大日本語クラスより、クラスの世話係の1人である、ブニンさんが参加しました。農学部の2年生です。大会には、全部で14人が出場しましたが、12人は人文学部日本語学科の学生でした。

 ブニンさんは、入賞3人の中に入りませんでしたが、十分に入賞圏内でした。ブニンさんの話は、「大好きなインドネシア」という題でした。アニメを通して日本に興味を持ち、発展した日本に憧れを持ち、インドネシアを遅れた国で、残念に思っていたそうです。しかし、山形大学の学生がやってきて、インドネシアの良い点を色々と指摘したので、インドネシアも良い国だと見直したそうです。彼女は、微生物を利用した汚水浄化の勉強をしていますが、勉強に励んで、インドネシアをよりよい国にしたいと、淡々と話しました。

 優勝したのは日本語学科の学生で、日本のしり取り遊びを紹介し、インドネシアにも類似の遊びがあることを発見した、と話していました。歌を交えた、体全体での熱弁でした。

 審査員は、スリランカに10年いた70前後の日本人の御婦人と、種苗会社に勤める40代の日本人男性、そして、40前後のインドネシア人の女性でした。日本人婦人は、ブニンさんに、「どうして、そんなに上手に日本語を話せるのですか。語学学校に通っているのですか」と聞きました。ブニンさんは「山形大生との交流で学んでいます」と答えました。

 2年前の蔵王山寮サマープログラムに参加した、日本語クラスのメンバーのジャトゥーさんが卒業して、農学部の広報係になりました。初仕事は、A4判20ページの英文広報誌の創刊号の作成で、英語原稿、写真、イラスト、総て1人でやったそうです。

 その記念すべき第1ページは、紙面総てが山形大学サテライト・オフィスの活動の紹介で、写真を8枚使っています。5ページ目には、半ページを割いて、農学部のロサさんと工学部のクレスナ君が参加した蔵王山寮サマープログラムの記事で、写真を6枚使っています。さらに、16~17ページ目には、山大農学部交換留学プログラムの記事が、ページの3分の2の容量で、写真1枚を添えて紹介してありました。山形大学は破格の扱いです。

日本語弁論大会のブニンさんの画像
日本語弁論大会のブニンさん

農学部広報創刊号の1ページ目の画像
農学部広報創刊号の1ページ目