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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記3(5)」

 5月26日に行われた、生物学部学部長のSuwarno Hadisusantoさんの教授就任披露宴への招待状が、当地に来た直後に、オフィスに送られて来ました。彼は、野外生物の生態学者で、私の専門に近く、ちょうど一年前に、私が生物学部で講演した時に、初めてお会いしました。

 日本やアメリカの大学には、教授は少なからずいます。しかし、私が駐在している国々の大学には、教授はあまりいません。極端なのは、ベトナム国家農業大学で、700人以上いる教員の中で教授は2人で、しかも定年間近の人でした。学長や副学長でも准教授でした。

 チェンマイ大学でも、国際交流担当副学長もオフィスを置いた農産業学部学部長も准教授でした。ラトビア大学は、国際交流担当副学長は教授でしたが、オフィスを置いた生物学部学部長は准教授でした。

 ガジャマダ大学の場合、教員は、助手、講師、上席講師、教授、の4つに分かれており、各学部に数人の教授がいるのですが、生物学部学部長は、今まで上席講師でした。学部長は助手以上の全教員のうち、博士学位取得者の中から選ばれるそうで、必ずしも教授である必要はないそうです。

 新教授になった生物学部学部長は、今年60歳だそうです。60歳で教授になった、と言うことは、とても意味があることだそうです。ガジャマダ大学の定年年齢は65歳です。しかし、60歳までに教授になると、定年年齢が5年延長の70歳になるそうです。

 この日、午前中は、大学本部のセレモニー・ホールで、教授就任式と記念講演会がありましたが、私は参加しませんでした。披露宴は、会場を移し、学内の別のセレモニー・ホールで、午後12時から14時までの2時間ありました。入り口には、日本の花輪に当たる、縁を赤や黄色の花で飾った1.5畳ほどの大きさのピンクや紫の色板が22基並べてあり、板の中央には、「Suwarno教授」と読める文字が書いてありました。新教授夫妻は入り口に並んで、参加者に挨拶し、記念写真に納まっていました。会場内には飲食物を供する屋台が11基あり、中央の舞台では、楽団の生演奏をバックに、歌が歌われていました。私が会場に入った時には、若い女性が、インドネシアの国民歌、第二国歌とも言われている、五輪真弓の「心の友」を歌っていました。

 新教授のお孫さんと思われる、少年の歌もありました。様子から見ると、お祝いの歌のようでした。興もたけなわになると、駆けつけた各学部の学部長達が、4~5人一団で歌ったり、一人で歌ったりで、雰囲気を大いに盛り上げていました。私の周りにも、日本で学位を取得した、という先生や、研究室の学生が山形大学に留学している、という先生が集まって来ました。化学系の先生だったと思います。

 その間、新教授夫妻は、入り口に立ちっぱなしでした。参加者は、数えたわけではないですが、1000人は超えていたと思います。同行した農学部のAchmadi教授50歳が、6年前に同じ会場で教授就任披露宴をし、25年前には結婚披露宴もしたそうで、出席者は、いずれも1000人を超えていたそうです。そのいずれの費用も、花輪以外は、一切が御本人の負担だったそうです。

 料理は、典型的な西ジャワのものだそうで、鶏卵や大豆を基にしたものが多く、酒の肴に適した香辛料の効いた料理もありました。しかし参会者は、甘いジュースを飲みながら、これらの料理を楽しみ、陽気に盛り上がっていました。

中央、髭の新教授夫妻の画像
中央、髭の新教授夫妻

お祝いの花輪は22基ありましたの画像
お祝いの花輪は22基ありました