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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記4(1)」

 

 ジョクジャカルタに来てから2週間が経ちました。当地は赤道の南にあるので、8月の今が一年で最も寒い季節だそうです。学生達は寒いと言い、ジャンパーを着こんでいますが、私は、日中は半袖で日陰にいても、ジワッと汗ばんできます。

  先週は、新入生の入学式とオリエンテーション週間で、薄いベージュの制服を着た新入生達が、キャンパスに溢れていました。今週8月8日からは新学年のスタートで、故郷に帰っていた懐かしい顔が、日本語クラスにも戻って来ました。

  そこで驚いたのは、学生達の日本語能力の伸びです。上級クラスには、いつのまにか英検の準1級に相当する日本語検定能力レベル2の学生が揃っていました。海外の正規の日本語学科の学生でも、レベル2で卒業するのは容易でありません。ガジャマダ大学人文学部日本語学科と付属専門学校の日本語コースの日本人教師のお二人が見学に来られて、学生達がクラスを楽しんでいるのが印象的だと、述べていました。さらに、毎日新たな初心者が数人やってきます。他大学の学生も混ざっています。

  毎年、「英語論文の書き方」というセミナーをしています。これは、ケニアのジョモケニヤッタ農工大学の副学長に頼まれて始めたのですが、ガジャマダ大学農学部でも頼まれ、今年も引き受けました。すると、農学部本館ロビーに、私が月~金の午後3時30分から英語論文の相談に応じる、というポスターが掲げられて、ビックリしているところです。

  今回の私の宿舎は、3年連続で、農学系若手教員住宅の同じ家です。4軒長屋が背中合わせになって8軒で1ブロックを形成していて、各家庭は、3LKプラス2室の使用人部屋と納屋兼車庫、2か所のトイレ、広い玄関ロビーとテラスを持っており、前庭と四囲を囲った裏庭があります。

  そんな宿舎の長屋ブロックが町内に幾つか散らばっている一方で、他の家は、長屋ブロック2~3個分ぐらいの広い敷地のお屋敷で、多くは、ガジャマダ大学の教授や名誉教授たちのお宅だそうです。この宿舎に入居した翌日、左隣の家の林学部の先生のお宅のお手伝いさんが、料理を持って来てくれました。去年も何度か持って来てくれています。そのお宅の、3年前は高校生だった年子のお嬢さん二人が、立て続けにガジャマダ大学医学部に入学したそうです。その翌日の夜に停電があり、右隣の農学部の先生のお宅のお手伝いさんが、ローソクを持って来てくれました。彼女は時々、我が家の前庭の掃除をしてくれます。

  背中合わせの家の御主人が町内会会長で、町内会費を取りに来ました。京大農学部で 学位を取得したそうで、日本語で、町内会費はゴミの回収費と町内警備員の雇用費に使うと言っていました。近くに警備員の詰め所があり、昼夜、町内をパトロールしています。
  8月7日の日曜日の夕方に、町内会の婦人会小部会があり、女房も参加しました。17日がインドネシアの独立記念日で、その町内会でのお祝いの相談でした。女房のために、多くの御婦人が、発言の趣旨を英語で説明してくれたそうです。食事も出たそうですが、会場となった家のお手伝いさんが、私の分のお弁当を我が家に届けてくれました。チキンカツとパンケーキとショウガ味の温かいバナナジュースでした。

ジョグジャカルタへの道の画像
ジョグジャカルタへの道

宿舎で出迎えてくれた学生達の画像
宿舎で出迎えてくれた学生達