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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記4(4)」

 

 現在、山大生の学生大使5名が滞在中です。工学部3名、医学部1名、地域教育文化学部1名で、いずれも女子学生です。今回に限らず、各地のサテライトの日本語クラスに学生大使として派遣される学生は、圧倒的に女子が多いです。対する日本語クラスに出席する現地学生も、圧倒的に女子学生が多いです。さらに、教える側も習う側も、リーダーシップを取るのは女子学生です。

 何故だろうか、と思っているところに、「チョウは、オスよりメスの方が賢い」という一文が目に留まりました。近畿大学の香取(かんどり)郁夫先生の研究で、チョウはどの花に蜜が多いか、花のどの部位に口吻を伸ばせば蜜を吸えるか、を生得的に知っているのではなく、経験を重ねて学習し、それを記憶することにより、効率の良い採餌活動を行っている、とありました。その際の学習能力は、オスよりもメスが優れている、というのです。賢さと積極性とは必ずしも正の相関はないとは思いますが、印象に残りました。

 学生大使が利用している宿舎は、学内にある旧教授公舎で、なかなかの豪邸です。2軒先にはオバマ米国大統領が幼少時代を過ごした宿舎があり、現在は博物館になっています。この宿舎を3年前に私も利用しましたが、当時は家族用で、その後、内部を改築して部屋数を増やし、単身者用のゲストハウスになりました。現在の私は学内から2キロ程離れた家族用宿舎にいます。先週は、私の宿舎に4回も水道屋に来てもらう事態が発生しました。

 水道の蛇口は、台所、屋内のトイレ、裏庭、裏庭のトイレ、前庭、の5か所にありますが、水は裏庭の井戸から電動ポンプで汲み上げ、井戸の横にある給水塔の上の貯水タンクに溜めておきます。ポンプのスイッチは台所にあり、タンクがオーバーフローして水が落ちる音で、満タンになったことを知り、スイッチを切ってポンプを止めます。井戸の水源はかなり深い所にあるのですが、すぐ横にトイレの浸透桝があるので、衛生面で気になるところです。飲料水は別に、19リットルの飲料水タンクを近所のお店から届けてもらっています。

 最初に水道屋を頼んだのは、台所の蛇口からの漏水が激しくなったからで、蛇口を代えてもらいました。2度目は、井戸から汲水できなくなり、電動ポンプを代えてもらいました。しかし、それでも汲水できずに、翌日も水道屋に来てもらいました。4度目は、屋内トイレの、もともと調子の悪かった蛇口から水を出せなくなり、蛇口を代えてもらいました。

 工事は大学を通して申し込んでおり、すぐに水道屋が来ると連絡があるのですが、具体的な時間は告げられず、水道屋が来ても、工事にかかる前に、いつのまにかいなくなり、かなりの時間をおいてまたやってきます。次第に分かったのは、一度いなくなるのは、ポンプや蛇口を買いに行っているからでした。ともかくも、すべては朝からの一日仕事でした。

トイレは個室の中に貯水槽があり、そこに溜めた水を手桶で汲み出して流す、という水洗式です。これは、大学その他の旧来式のトイレと全く同じ構造です。宿舎の屋内トイレの蛇口が壊れた時には、水道屋は先ず蛇口を取り外し、水が噴き出して貯水槽に落ち、貯水槽が溢れてトイレが水浸しになって行く状態を放置したまま、新たな蛇口を買いに行ってしまいました。水は給水塔の貯水タンクが空になるまで止まりませんでした。

日本語クラス(右列の女子は山大生)の画像
日本語クラス(右列の女子は山大生)

宿舎の屋内トイレの画像
宿舎の屋内トイレ