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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記5(4)」

 先週は、山大から訪問客があり、8月1日~3日までの濃縮した3日間の交流プログラムを実施しました。プログラムの日程を組む上と、その実施段階で、ガジャマダ大学側の窓口の、農学部のアフマディ教授、通称イピ先生、に大変にお世話になりました。

 最重要の行事は、1日の午後にあった、ガジャマダ大学生物学部と山形大学理学部の学部間協定の調印式でした。ジャカルタ出張から戻ったばかりのイピ先生も同席して下さいました。この日の午前は、農学部長との会談があり、その後、山大日本語クラスの視察もありました。夜は、山形大学同窓会をジョクジャカルタ市内のレストランで開催しました。

 同窓会には、山大で博士学位を取得した先生が4人、山大に約1年間の短期留学をした学生が6人、山大で開かれたサマープログラムに参加した学生が4人、私が招待したガジャマダ大学関係者が4人、日本側の山大関係者が3人、の21人が参加しました。

 2日の午前は、イピ先生の案内で、ジョクジャカルタ市郊外のガジャマダ大学農業技術革新センターに行きました。敷地は36ヘクタールあるそうで、稲、畑作物、花卉類の品種や栽培技術の改良、畜産や養鶏の技術改良、その糞尿の処理や再利用など、大学本部キャンパスの研究室で行っている研究を、大規模に実用化するための実験場でした。

 最も印象に残った施設は、ゴミのリサイクル工場でした。大学本部キャンパスは、約150ヘクタールありますが、ここから排出される様々なゴミが、隔日置きにこのリサイクル工場に運び込まれるそうです。そして、分離され、有機ゴミは蒸して発酵され、砕かれて、袋詰め有機肥料に再生されていました。プラスチックゴミも再生油に還元されていました。

 技術革新センターの近くでは、ここで生産された作物や物品を中心に、近隣の人々が物を持ち寄って市場が開かれていました。年に5回、それぞれ1週間の市場だそうで、華やかに沢山の旗を立て、伝統歌舞団も興を添える賑やかなもので、田舎の物産会の様相でした。

 2日の午後もイピ先生の案内で、本部キャンパス内の各種研究センターが集中している地区にある、国際交流課の窓口事務所に行きました。国際交流課本部は、大学本部の建物の中にあるのですが、窓口事務所は、一戸建てで広い庭付きの、瀟洒な旧教授住居を利用しています。周囲の研究センターも、みなこの旧教授住宅の転用で、約60戸あります。

 最終日の3日の午前は、工学部と医学部を訪問し、海外交流担当副学部長や担当教員と会談しました。医学部は昨年ガジャマダ大が山形を訪れており、工学部は、この8月の末に山形大学がジョクジャカルタを訪れることになっています。

 3日の午後は、大学本部で、海外担当のパリプルナ副学長、国際交流課長、コミュニティーサービス本部長のイルファン教授と会談しました。コミュニティーサービスは、学生農村実習で、3年生1万人をインドネシア全土に2ヵ月間派遣している本部で、この週末は、派遣団の現地解散式があるそうです。イピ先生もジャワ島東北部のスラバヤから船で8時間のバウェアン島の解散式に出るために、2日の夕にスラバヤに出かけて行きました。しかし、5日現在、時化で船は出ず、スラバヤにいるそうです。そういう訳で、3日の会談にはイピ先生は同行しませんでしたが、彼の研究室の院生や若手教員が付き添ってくれました。

同窓会。話しているのは最古参の農学部院出身のベニト先生。その右に立っているのはイピ先生。の画像
同窓会。話しているのは最古参の農学部院出身のベニト先生。その右に立っているのはイピ先生。

農業技術革新センターのゴミのリサイクル工場。の画像
農業技術革新センターのゴミのリサイクル工場。