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大崎教授の海外駐在記「ジョモケニヤッタ農工大学6(2)」

ジョモケニヤッタ農工大学駐在記6-2

 ジョモケニヤッタ農工大学に外国語センターが新設され、日、独、仏の3コースが設けられました。当初は中国語も検討されたそうですが、受講希望者無しで、設けられなかったそうです。なお、英語はケニアの公用語で、教育は英語で行われています。日本語コースの先生には、山大日本語クラスの現地世話人のジョアン・ジェベット(Joan Jebet)さんが就任しました。昨年、彼女は埼玉県さいたま市北浦和にある日本国際交流基金附属日本語国際センターに派遣され、6カ月間の日本語教育研修を受けました。

 ジョアンさんとの出会いは、5年前のある日、私がジョモケニヤッタ農工大学の構内を歩いている時に、日本人の母娘に話しかけられたことに始まります。岡山在住の母娘で、岡山で娘の英語の家庭教師をしてくれたジョアンさんに会いに来たそうです。ジョアンさんは、ジョモケニヤッタ農工大学工学部のロバート・キプリモ先生の奥様で、大学構内にある教職員住宅に住んでいました。ジョアンさんは、夫のロバート先生が岡山大学大学院に留学した際に、一緒に岡山に行き、この母娘と知り合ったそうです。

 ジョアンさんに山大日本語クラスの世話人を頼むと、彼女は日本大使館の日本語クラスに通うようになりました。ケニアに日本語を教える高等教育機関は約10あるそうで、日本語履修者は約1800人います(日本国際交流基金、2014)。非正規ながら、山大日本語クラスは、毎年約150名の学生が受講登録し、2年前には、日本大使館主催の日本語弁論大会で、1位、2位、特別賞、の受賞者を出しました。そして、ジョモケニヤッタ農工大学に正規の日本語コースができ、ジョアンさんが正規の大学教員になりました。

 ジョモケニヤッタ農工大学の日本語コースの先生は、ジョアンさんただ一人です。彼女は初級者、中級者に対しては、日本語を教える自信があるが、上級者が来たなら、まだまだ不安だ、と漏らしています。私は、山形大学の学生の皆さんに、学生大使として、ジョアンさんの支援に行っていただきたいです。

 6年前から、山大海外サテライトは双方向性のある国際交流を試みています。その一環として、多くの海外学生と緊密な交流が可能な日本語クラスを始めました。しかし、正規の日本語教師の免許者が教えているわけではないので、日本語クラブで日本文化を伝えている、という体裁を取っています。この日本語クラスは「誰でも何時でも何度でも」をモットーに開設され、各大学で毎年150~250人の学生が登録し、約4分の1の学生が、ほぼ毎日参加する常連組になりました。山形大学からも、毎年、延べ70名以上の学生が、学生大使として参加して、帰国後も様々な手段で緊密な交流を継続しています。

 この日本語クラスから、今まで8名の学生が山形大学大学院に入学してきました。普通、留学生たちは日本語が不自由な故に、日本人学生との交流が難しく、同じ国や海外留学生とのみ付き合い、日本語を良く習得せず、往々にして学業も不十分なままに帰国します。しかし、山大日本語クラスの学生達は、すでにある程度の日本語ができるうえに、既知の学生大使の友人が迎えてくれるので、日本語も学業も十分に習得できます。私はこの3月でこの任を終えますが、山大日本語クラスが今後増々発展することを祈っています。

ジョアンさんの画像
ジョアンさん

ある日の日本語クラスの画像
ある日の日本語クラス