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ラトビア大学駐在記5(8)

 12月1日に、ラトビア大学経済学部121号室で、今回最後の山形大学日本語クラスを行いました。初級クラスと上級クラスの2つに分かれ、10数人が参加しました。14;30に始まり17:30に終わるのですが、普段だと、終わりの時間を待たずに30分前とか15分前に退席する参加者がいます。しかし、この日は、終わりの時間が迫ると、離席して、電話をする学生がいましたが、多くは最後まで残っていました。

クラスが終わると、皆がプレゼントを持って集まってきました。自分で描いたリガの街の絵、手製のフェルトワーク、クラスのスナップ写真集、チョコレートの包み、一輪の花、等々。参加者たちの寄せ書きもありました。中央には筆ペンでメッセージが書いてありました。

「お二人は、遠くからいらっしゃいまして、紅葉から初雪まで日本語を教えて下さいました。本当に有り難う御座いました。そして、貴国の文化と歴史と伝統のことを伝えて下さいました。此方は誠に恐縮しております。今後とも、日本語の勉強を続ける積もりです。最後、お二人の御健康と御活躍をお祈り申し上げます。リガ市、ラトビア大学で。2017年12月1日」

上級クラスには、2カ月間の皆勤者が4人いました。物理学部退職男性、歴史学部男子学生、人文学部女子学生、コンピューティング学部卒の男性プログラマー。彼の寄せ書きは、「貴様と俺とは同期の桜!日本に会いましょね!」とありました。上級クラスでは、毎日、日本の歌を1曲ずつ紹介しました。フォークソングから始まり、彼のリクエストで「函館の女」をしてから、演歌、歌謡曲、童謡、とジャンルを広げ、1人称と2人称の説明の際に、軍歌「同期の桜」も紹介しました。この歌は彼のお気に入りになったようでした。

最後のクラスの散会後に、化学学部の卒業生で、貿易会社に勤めている男性が、経済学部の玄関まで駆けつけてくれました。最後は会えませんでしたが、電話やメイルで、再会を呼びかけくれた参加者が何人もいました。マスコミニュケーション学部を出て出版社で編集員をしている女性は「日本語を教えてくれてありがとう。一緒に過ごした良い思い出をありがとう。今、私たちは本当の家族のように思います」とメイルを寄こしてくれました。

 山形大学の日本語教室は、双方向性のある大学間交流の一環として開いており、山形大生をチューターとして派遣し、山大生と相手校の学生達との、絶えない対話を通して築き上げる深い交流のためのツールです。その結果、それまで学内に日本語の学習施設のなかった、ベトナム国家農業大学とケニヤのジョモケニヤッタ農工大学に、日本語履修コースが新設され、山形大生のチューターも、日本語指導の協力を要請され、参加しています。

ラトビア大学には人文学部アジア文化研究学科に既存の日本コースがあります。そのためか、山大日本語クラスに、日本コースの学生の参加もあるにはありますが、アジア文化研究科自体は関心を持っていない、という印象がありました。山大とラトビア大学の交流協定は12月で一旦切れます。そして、ラトビア大学から新たな提案がありました。アジア文化研究科に日本文化センターを新設したい。そこに、学外者をも対象にした日本文化クラスを開設したいが、山形大学日本語クラスに協力してもらえないか、というものでした。

日本語クラスの画像
日本語クラス

ゼンヤレ君の描いたリーガの街の画像
ゼンヤレ君の描いたリーガの街