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大崎教授の海外駐在記「ラトビア大学駐在記4(4)」

 

煙草とタトゥーとカジノの街 

 ラトビア大学は分散キャンパスで、サテライト・オフィスを置いた5階建ての大学本館の四囲は自動車道路で、キャンパス的な空間は全くありません。と言っても、正面玄関前の道越しは、旧市街を囲んで流れる運河に沿った緑地公園で、観光船が走っています。本館の裏側は、道越しに、金属柵に囲われた緑地公園があり、出入り口が7カ所あります。

 大学本館の左右は、本館と同じ様な、古い5階建ての建物が連なっていて、ちょっと目には、何の建物か分かりません。窓越しに建物の内部を覗くと、レストランだったり、コンビニだったり、フランス大使館だったり、音楽大学だったりします。

 私は、サテライト・オフィスにはトラム(路面電車)で通っていて、最寄りの電停は大学本館の裏手にあります。そこで、裏手横にある裏口を良く利用します。ここは通用口ではなく、全くの裏口で、建物の一階部分を車が出入りできる程度にくり抜いたトンネルがあります。トンネルを入ると、中庭とは言い難い、殺風景な小さな広場があります。そこには、学内から回収したゴミの一時的置き場とか、公用車や、業務用車の駐車場があります。

その広場を突き切ると小さなドアがあり、ドアの奥は、大学本館の、広い中央ロビーの最奥部に通じています。ロビーの左右全体は大きなクロークで、学生は、パーティー会場で私物を預ける要領で、必要な物以外を預けて教室に向かいます。

中庭の小さな広場には、時間によっては、10数人、20数人の女子学生がグループに分かれてたむろしています。男子学生もいないわけではないのですが、女子学生が目立ちます。煙草を吸っているのです。ラトビアは、公共の場では、屋内外を問わず、喫煙は禁じられているのですが、女性の喫煙者が目立ちます。私の滞在しているゲスト・ルームのある学生寮でも、夜になると、玄関の外に出て、女子学生がたむろして煙草を吸っています。日中、通りを、煙草を吸いながら歩いている女性も見かけます。

陽気が良くなるとともに、腕や腿にタトゥーをしている若い女性をよく見ます。始めは、本物なのかプリントなのか判別できませんでした。ただ、2~3歳ぐらいの幼児でも、腕にそれらしいものをしている子もいるので、それはプリントだろうと思っていました。日本語クラスの常連で、美術学校志望の女子中学生が、それらしいスケッチを描いていたので尋ねると、やはりタトゥーのデザインだと言いました。男子で、両腕の肘から肩にかけて派手なタトゥーをしている学生に聞くと、これは本物のタトゥーで、彼が日本語を勉強している理由は、日本でタトゥーの勉強をしたいからだ、と言いました。

リガの街中に、赤く派手にFenikss と書いたお店が沢山あります。少し大袈裟に言えば、各バス停や電停の前には必ずある、と言うほどに沢山あります。窓には遮蔽フィルムが張ってあるのか、内部は全く見えません。女子学生に聞いたところ、カジノだと言います。「私はあんな場所は嫌いだ。」とも言いました。大きく「Casino」と書いた看板を出した壮麗な建物もあります。日本の日常とは違うな、というのが以上の3点です。

今、住宅地は、スズランとシャクナゲとナナカマドの花の季節です。トラムの中や、通りで、スズランの花束を持った女性を良く見かけます。

大学本館の裏側の画像
大学本館の裏側

カジノの画像
カジノ